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2020年1月

2020年1月20日 (月)

シールドバッテリー警報器(Battery AlarmVer0.4a) ※カーバッテリー対応版

Balm

シールドバッテリーは移動運用に大変便利ですが、過放電をしてしまうと充電できなくなってしまいます。

また車での運用の場合、バッ直(無線機とバッテリーを直結)で運用する場合もありますが、つい運用に夢中になってバッテリーを使いすぎてセルが回らないという事がおきるかもしれません。本品は充電制御機能は持ちませんが、過充電時も警報を出します。

※シールドバッテリ警報器をカーバッテリー(鉛電池)で使用できるか問い合わせがありました。

カーバッテリーへ正式に対応しました。(2020/06/17)

設定 LOWアラーム 正常 HIGHアラーム
シールドバッテリー 11.5V以下 11.5V~17.0V 17V以上
カーバッテリー 10.5V以下 10.5V~16.0V 16V以上

 

【変更履歴】

V0.4ー>V0.4a

逆流防止ダイオードをリセッタブルFUSEに変更

V0.3ー>V0.4

カーバッテリーに対応するため、HIGHアラームの電圧を変更しました。

V0.2->v0.3 

  • 初期状態を「常時監視」に変更しました。
  • この変更に伴いSETボタンの動作を「監視開始」から「ブザー停止」に変更しました。

シールドバッテリーの特性・仕様

解放電圧残容量表

(O.C.V and capacity of the diagram(25℃))

・・・LONGのデータシートより

Capacity 12V O.C.V
100% V>13.00
90% 12.80<V<13.00
80% 12.65<V<12.80
70% 12.50<V<12.65
60% 12.35<V<12.50
50% 12.20<V<12.35
40% 12.05<V<12.20
30% 11.90<V<12.05
20% 11.75<V<11.90
10% 11.60<V<11.75

仕様 完全密封型鉛蓄電池 12V7.2Ah LONG製

WPL7.2-12 ・・・秋月電子通商より

  • 端子:F2(#250)ファストン端子(C-12033)
  • 定格容量:12V7.2Ah
  • 充電電圧:14.4~15.0V(サイクルユース)
  • 最大充電電流:0.3CA(2.16A以下で充電してください)
  • 内部抵抗:22mΩ(@1kHz)
  • サイズ:約151x65x94mm(高さは端子部分を除く)
  • 重量:約2.4kg
  • 台湾またはベトナム製

本品の仕様

Photo_20191222180801

  • 最大入力電圧:20V
  • 消費電力:36mW(入力電圧12.0V/6mA)
  • 動作範囲:6V~20V
  • LOWアラーム:約11.5V
  • HIGHアラーム:約15V
  • 入力端子:ターミナルブロック(ネジ式)
  • 電線サイズ:14~22AWG(1.628mm
    ~0.6426mm)
  • 外部出力:フォトリレー出力側(最大:60V、500mA、2Ω)

注意事項

本品は、シールドバッテリー(またはカーバッテリー)に直接接続するものです。以下の注意事項を必ず守ってください。
本品は、可能な限りの安全対策は取っていますが、万一、本品を使用して事故や故障が発生しても作者は責任を負いかねます。

  • 本品はプラスチックケース等に入れ、外部とショートしないよう安全対策を行ってください。
  • 雨天時や、湿気の多い場所での使用はできません。
  • 本品とシールバッテリー(またはカーバッテリー)間は必ずFUSE(0.5A程度)を入れてください。
    ※リセッタブルFUSEを実装しました。
  • 本品に充電制御機能はありません(警報のみ)。充電の際は専用の充電器をお使いください。
  • 本品の仕様の範囲を超えた使用はできません。熱を発生したり部品が壊れる可能性があります。
  • 本品には、逆接続防止回路がついていますが、ケーブルを接続する際は、極性(+、-)を確かめてから接続してください。
    ※リセッタブルFUSEを実装しました。
  • 本品を使用し、異常を感じた場合は直ちに使用を中止してください。

動作概要

①バッテリーと入力端子(本品の左側の端子)に接続する。
 電源SWは有りません。

②RESETボタンを押す。
 初期状態に戻ります。ブザーは警報発生時に鳴る設定

③SETボタンを押す。(ブザー停止)

 ※異常時、赤LEDとフォトリレーは動作しますが、ブザーは鳴りません。

④監視状態


シールド

バッテリー


カー

バッテリー


MON
(LED1(緑))

ALM
(LED2(赤))

ブザー

フォトリレー出力
17.0V以上 16.0V以上 高い音の断続 CLOSE
11.5V~17.0V 10.5V~16.5V 無し OPEN
11.5V以下 10.5V 低い音の断続 CLOSE

※初期状態の場合

⑤ブザー停止
 ブザーやLEDが停止し、初期状態にもどります。

 

回路図

2

組立方法

  • パッケージ

Dsc_0918

  • パッケージの内容
    抵抗は種類別に小分けしてあります。

Dsc_0919

  • パーツリスト
番号 品名
R1 抵抗 150K
R2 抵抗 10K
R3 抵抗 2K
R4 抵抗 10K
R5 抵抗 2K
R6 抵抗 2K
R7 抵抗 2K
R8 抵抗 240
LEVEL1 半固定ボリューム 50K
U1 三端子レギュレータ L78L05ACZ
U2 AVRマイコン ATTINY13A-PU
U3 フォトリレー TLP222AF
SP1 圧電スピーカー PKM13EPYH4000-A0

D1
F1


ショットキーダイオード
リセッタブルFUSE


1S4
MF-R010

D2 スイッチング・ダイオード 1N4148
LED1 LED
LED2 LED
SW1 タクトSW
SW2 タクトDW
C1 セラミックコンデンサー 0.1μ
C2 セラミックコンデンサー 0.1μ
C3 電解コンデンサー 47μ
C4 セラミックコンデンサー 0.1μ
C5 セラミックコンデンサー 0.1μ
J1 ターミナルブロック 2ピン(青)
J2 ターミナルブロック 2ピン(青)
  プリント基板 BALM-02-B
  DIPソケット 8pin
  • 組立作業の注意点

①基本的に背の低い部品からハンダ付けしてください。部品の説明は、基板を上から見た状態で説明します。

  • 抵抗器
  • セラミックコンデンサ
  • タクトスイッチ(左赤、右黒)・・・左右に足が出ます。
  • 半固定ボリューム(青くて長い部品)

②AVRマイコンはDIPソケットから丁寧に外しハンダ付。

 指す時はマークが左下にくるよう実装

Avr_20191223155401

③LEDは向きがある。長い脚が左側にくるように実装

※緑は通常時透明に見えますが緑で発光します。

Led

④三端子レギュレータは平な面が右にくるように実装

78l05

⑤ターミナルブロックは穴の開いた面が外側を向くように実装

Term_20191223155401

⑥電解コンデンサーはマイナスが下

C3

⑦ダイオードは線のマークを合わせてください。

D2

⑧逆流防止ダイオード(D1)はリセッタブルFUSE(F1)に変更になりました。

リセッタブルFUSEは極性がありません。足を少し広げてD1の位置に挿入してください。

P12911_20200827215201

 

⑨その他のパーツは完成品の写真をみながら実装してください。

調整

①用意するもの

  • 本品
  • テスター(10.5および20Vが測定できる物)
  • 安定化電源(電圧が可変できるもの。用意できない場合は簡易調整を参照)
  • 時計ドライバー(-)

②図のように各装置を接続する。

Test

③安定化電源の出力電圧を11.5Vに設定する。(カーバッテリー設定の場合は10.5V)

④本品のスイッチをRESET→SETの順に押す。

⑤半固定ボリュームを調整しLEDの緑が消え、赤が消えるようにする。(LOWアラーム)

⑥安定化電源の出力電圧を17V(カーバッテリー設定の場合は16V)に設定する。赤と緑両方のLEDが点灯する。(HIGHアラームは確認のみの。)
動作については、「動作概要」を確認してください。

簡易調整

簡易な調整方法として半固定ボリュームの抵抗値を測定する方法を紹介します。簡易調整のため精度は落ちてしまいます。
なお、出荷時にあらかじめ37KΩに設定してあります。

①電源を切る

②AVRマイコンをソケットから抜く

③可変抵抗器の値を調整し37KΩ(カーバッテリー設定の場合は30.8KΩ)になるよう半固定ボリュームを回す

④AVRマイコンを元にもどす

Dsc_0920

応用例

【外部警報】

バッテリーと運用場所が離れている場合、警報が鳴っても聞こえない場合があります。

図のように接続すると離れた所で、警報音を確認することができます。

Ex1

■頒布

トップページをご覧ください。(値下げ実施中)

2020年1月15日 (水)

ピカロード「ホタル君」について

Icon

Dsc_0123

ハムフェア2020に頒布するネタで変わりダミロードの話がました。

昔適当に作った豆電球型ダミーロードを何とか物に出来ないかと試行錯誤し「ホタル君」を完成させました。

電球型ダミーロードとは?

かなり以前、ダミーロードになる無誘導抵抗は高価でした。

また、10~100(W)に耐える抵抗器も高価で大型になるため、100(V)用白熱電球が代用されました。

電球は何を選べ場良いか?

電球の規格は電圧と電力(電流の場合もある)が記載されています。

50(Ω)で100(V)ならP=E×E÷R=100×100÷50=200(W) と単純には行きません。

なぜなら、無線機の出力は変調が掛かっているため、100(V)ピッタリの電圧にはなりません。

もう一つの問題として抵抗値は温度によって変化するという事です。

(金属は温度が上昇すると抵抗値が増加する)

先ほどの例では100(V)で50(Ω)になりますが、それより低い電圧では抵抗値が下がります。(平常時は5(Ω)程度)

電力を投入してから抵抗値が安定するまでの間に、高いVSWRとなってリグを壊さないような「電球」を探さなくてはなりません。

QRP用電球の選択

今回はQRP用ということで、1~2(W)の電球を調べてみました。

定格電圧 電力(W) 初期抵抗値(Ω) 定格時抵抗(Ω) 評価
2.5(V) 0.5(A) 1.25 1以下 5 抵抗が低い
8(V)0.25(A) 2.0 2 32 抵抗が低い
12(V)0.1(A) 1.2 28 120 範囲内に50(Ω)のポイントがある
18(V)0.11(A) 1.98 50 164 初期抵抗高い

※初期抵抗値はアナログテスターで測定

調査の結果12V電球(G-30H)が50(Ω)の範囲内に入ることが分かり電気特性を測定してみました。

(測定は高周波電流計がないので、直流で代用)

G30h

電球の抵抗値は非線形で有る事は知られています。

一般に発光している時の抵抗値は、発光していない時の約10倍になると言われています。

参考:http://neptmh.web.fc2.com/mht039/mht039.html

G-30Hの周波数特性

電球の特性が書かれた記事はどれも直流(または商用交流程度の周波数)です。

元々、電球は高周波で使用する事を想定していないため、その特性は未知数です。

(もし文献が有った教えてください。)

出力ー13dBm程度のnanoVNAで測定しました。

Nanovswr

VSWR 3.0~1.5程度です。

Nano_z

インピーダンスは73.5MHzまでは直線的に伸びていき、109.2MHz程度から一定になっています。

Nano_rx

60MHz付近に共振点があります。50MHzでの各値は以下のとおりです。

R=83(Ω)、L=133(nH)、C=77(pF)

nanoVNAは出力がー13dBm程度なので、当然電球は光りません。

従って、抵抗分が低く自身のインピーダンスの影響が強く現れます。

その傾向はCAA-500MK2でも同様でした。

ダミーロード作成

電球のブラケットのサイズが10mmあり、5D2VのM型コネクター(内径約11mm)と同程度です。

ピッタリサイズにはまるので、ハンダで芯線とブラケットを固定します。

電球は12VのE10型(G-30H等)を使用します。

実際に無線機につないでみる。

FT-817NDとQRP用SWR計(QPM01)で測定してみました。

本体のSWR表示で確認したところ以下のとおりでた。

周波数帯 FT-817NDのSWR表示 VSWR
1.8~50(MHz帯) 0 1.5以下
144(MHz帯) 3 1.7(推定)
430(MHz帯) 8 5.0(推定)

1.8~50(MHz帯)で出力を変えながら測定したところ、0.05W~1.5Wの範囲で使用できる事が判りました。(SWR1.5以下)

1.2W以上は、電球の定格を超えるので短時間の使用に留めてください。

※QPM01:JL1VNQが頒布しているQRP用SWR計。測定可能なバンドは1.8MHzから50MHzまで、電力は0.1W~20Wまで測定可能。

※8(V)0.25(A)を使う事と、2W~3Wで使用することができます。(SWR1.5以下)

命名について

試作品のダミーロードに素敵な名前を付けていただきました。

これからは、ピカロード「ホタル君」と呼びます。

ピカロード=光るダミーロード

ほたる君=ほのかに光る

頒布について

ハムフェア等で頒布予定

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