K3NG Keyerのコマンド一覧と実装について
K3NG Keyer は複数のメモリーを持ち、多彩な機能が有り、多くの方に支持されていますが、
コマンドについて詳しく解説したページが見当たりませんでした。(使って覚えろなのかも知れませんが...。)
また、コマンドの実装についても解説したページが少ないようです。
0.前提
- 解説は、2020.11.01.01をベースにしています。(他のバージョンでは、仕様が異なる場合があります。)
- コマンド解説はボタン操作のみとし、CLI、Keyboard等は省略します。
- ソースを解読した結果なので、実機で確認出来てない物を含みます。
- LCD有、ボタン操作を前提にします。想定する仕様は以下の通り(注1)
LCD 16X2
ボタン コマンド1個、メモリ最大5個(計6個)
接続するTX 最大6個
ボリューム 有り
PTT端子 無し - ボタン操作を有効にする場合は以下の設定をしてコンパイルしてください。
(keyer_features_and_options.h)
#define FEATURE_COMMAND_BUTTONS
#define FEATURE_MEMORIES
#define FEATURE_POTENTIOMETER
#define FEATURE _LCD_XXXX //XXXX部分は使用するLCDに合わせる。無い場合はコメントのまま(注1)
1.操作
操作 | 動作 | コンパイル時の設定等 |
ボタン0を押す | コマンドモード ON/OFF | コマンドモード中は、実行中のコマンドを終了(中断)する場合にも使われる。 |
ボタン0を押した後、左パドル | 送信速度が速くなる | ボリュームとは別に速度指定が可能。設定は以下の通り。 |
ボタン0を押した後、右パドル | 送信速度が遅くなる | |
ボタンxを押す(1~12)(注2) (短押し) |
メモリーxを自動送信 中断はパドル |
ボタン数=メモリー数 x + 1(個) (keyer_settings.h) #define analog_buttons_number_of_buttons x |
ボタンxを押した後、左パドル | メモリーをリピート送信 |
リピート間隔の設定は以下の通り。 (keyer_settings.h) #define default_memory_repeat_time xxxx //xxxxはミリ秒 |
ボタンxを押す(1~6)(注2) (長押し) |
出力をTXxに切り替える | TX数の設定は以下の通り。 (keyer_pin_settings.h) #define tx_key_line_x yy //xTX番号 yyマイコンのpin番号。yy=0 の場合は実装されない。 |
ボリューム(通常時) | 送信速度の設定(注1) |
通常時とコマンドモードの速度は別に管理されているが、ボリュームの範囲は同じ値を使っている。 |
ボリューム(コマンドモード時) | コマンドモードの速度設定(注1) 左回し:遅く 右回し:早く |
|
左パドルを押したまま電源ON | ビーコンモード メモリー1の内容を自動送信する。 ※動作は未確認 |
(keyer_features_and_options.h) #define FEATURE_BEACON |
右パドルを押したまま電源ON | ストレートキーモード(簡易モード) |
簡易モードについての設定は有りません。 パドルと同時操作モードにする場合は以下の通り。 (keyer_features_and_options.h) #define FEATURE_STRAIGHT_KEY #define FEATURE_STRAIGHT_KEY_ECHO (keyer_pin_settings.h) #define pin_straight_key yy //yyマイコンのpin番号 |
左右パドルを押したまま電源ON | EEPROMの内容リセット | ・EEPROMの内容をリセットする場合 |
コマンドモード中に |
メモリーの登録。(注2) 「Pgm Memory x」と表示 |
コマンドボタン:登録を完了する。 長押しモードに変更する場合は、jh4vajさんのホームページを参照 |
2.コマンドモード
コマンド | 動作 | 備考 |
A(・-) | Iambic Aモード(スクイズキー) | 両側のパドルを開放したら、符号送出を終ります。 |
B(-・・・) | Iambic Bモード(スクイズキー) | 両側のパドルを開放したら、いま出ている符号の反対の符号を1個出して終ります。(早い打鍵ではタイミングが難しい) アイアンビックの詳しい説明はA1clubのページを参照してください。 |
C(-・-・) | シングルパドルモード | 押す場合、先に押した方が連続。(切替なし) 離す場合、押したままのキーが連続。 |
D(-・・) | Ultimaticモード | 理論上、欧文を最も少ない操作で送信できるモード 押す場合、後から押した方が連続(切替わる) 離す場合、押したままのキーが連続 使用しない場合以下の設定(デフォルトは使用) (keyer_features_and_options.h) #define OPTION_NO_ULTIMATIC |
G(--・) | バグキーモード | 短点:自動、長点:マニュアル |
E(・) | コマンドモードの速度アナウンス | コマンドモードの速度をLCDとモールスでお知らせ |
F(・・-・) | サイドトーンの周波数の表示と調整 | パドル左:高く パドル右:低く コマンドボタン:設定終了 ※ボリュームでは、周波数を変更できません。 確認は? |
H(・・・・) | 短点と長点比率、符号間隔の初期化 | weighting = 50% dah:dit = 3.0 (3対1) |
I(・・) | TXへの送信On/Off(トグル) | TX Offの場合、TXに出力されません。無線機を接続中に調整する場合は、Offで行ってください。 |
J(・---) | 短点と長点比率(dah:dit )の調整(注1) ※比率はLCDに表示されません。短点と長点が交互に流れるので音で確認してください。 |
パドル左:大きく パドル右:小さく コマンドボタン:設定終了(数回押さないと終わらない) ※初期化はH、確認は? |
K(-・-) | 短点、長点バッファーの初期化 | ※未確認 |
L(・-・・) | 符号間隔率(weighting)の調整(注1) | パドル左:大きく パドル右:小さく コマンドボタン:設定終了(数回押さないと終わらない) ※初期化はH、確認は? |
M(--) | コマンドモードの速度設定(注1) パドル左:早く パドル右:遅く |
パドル左:早く パドル右:遅く コマンドボタン:設定終了 |
N(-・) | パドルのリバースモード(トグル) | ※間違って入力したら左右各1回でノーマルに |
O(---) | サイドトーンのOn/Off(トグル) | |
P#(・--・) | メモリーの登録。(#は1~12)(注2) 「Pgm Memory #」と表示 ※ボタンからの操作は最大5個 |
P1:メモリー1に登録する。 : P4:メモリー4に登録する。 コマンドボタン:登録を完了する。 ※何も入力せずにコマンドボタンを押すと該当メモリーが空になる。 |
R####(・-・) | シリアル番号を登録する(初期値は1) |
シリアル番号は、コンテスト等で、使用する番号でメモリーマクロで使用可能。ただし、キーボードやシリアル接続でないと使用できません。 |
T(-) | TUNEモード |
送信機やアンテナの調整に使う。 |
V(・・・-) | ボリュームの有効/無効(トグル) |
速度調整につかうボリュームの有効無効をセット。 |
W(・--) | 送信速度の設定(注1) |
パドル左:早く |
X(-・・-) | コマンドモード終了 |
|
Y####(-・--) | メモリーリピート間隔の調整 |
メモリボタン+パドル左でメモリーをリピート送信 |
Z(--・・) | オートスペース(トグル) |
一定時間後にスペースが入る。 |
1(・----) 2(・・---) 3(・・・--) 4(・・・・-) 5(・・・・・) |
メモリー#内容の確認(#は1~12) |
・メモリーの内容が音で確認できる。 ・サイドトーンをOffにしていても聞こえる。 ・メモリー内容が空でもエラーにはならないが、未実装のばんごーはエラーになる。 |
=(-・・・-) | PTTのOn/Off(トグル) |
PTT操作を有効にする。 PTT設定は以下の通り。※TX番号と合わせること (keyer_pin_settings.h) #define ptt_tx_x yy //xTX番号 yyマイコンのpin番号。yy=0 の場合は実装されない。 |
・(・-・-・-) | 作者からのメッセージ | 何と言ってるか、ご自身で確かめてください。 |
S(・・・) | 送信練習モード ※動作は未確認 LEDは無くても問題なさそうです。 |
以下の設定が有効な場合に機能する。 |
U(・・-) | 受信送信練習モード ※動作は未確認 |
以下の設定が有効な場合に機能する。 |
?(・・--・・) | ステータスのアナウンス | LCDと音(設定値のみ)で以下の内容を知らせます。
|
注1:LCD有を前提に解説します。LCD無しの場合、周波数や速度調整のパドル操作が逆転します。
注2:実装により上限の数は変わります。
コラム:Oコマンド(サイドトーン無し)のところに//zzzzzzzzと有った。
もしかしたら夜中に運用する時の為に作ったコマンドか?
ソースを眺めていると意外な発見がある。
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