最近はカーボンロッド直接給電が流行っていますが、VCHアンテナも簡易に同調を調整でき根強い人気があります。
※原作者はJP6VCH/松木さんです。(2006年11月号CQ誌141頁「新QRP通信」)
しかし、グラスロッドは最近販売量が減っており入手困難ですが、たまたま立ち寄った
釣具店(上州屋)でグラスロッドが安く手に入ったのでこれでVCHアンテナを作ってみました。
動作確認
原典に近い仕様を目標にしましたが、塩ビ管コイルキットと手持ちの材料で作りました。
※作成については、「VCHアンテナ用コイルの作成」の項を参照してください。
4.5mの竿では下部エレメントが長く余るので、竿に適当に巻いて測定してみました。
①調整無しで測定したところ、6.933MHzでVSWRは1.0(6.94MHzで1.24)となり、
コイルのターン数が多いようです。
ワニ口クリップで同調点を調整したところ、7.099MHzで1.0まで追い込むことができました。
ATU等は使わず直接給電です。
給電部は、別キットの「ROD-BOX」を使用しています。
釣り竿について
メーカー:スズミエンタープライズ
品名:万能 硬調 H450
長さ:450m
継数:5本
自重:264g
先径:1.7mm
元径:24.2mm
仕舞寸法:104cm
タイプ:硬調振りだしロッド
素材:グラス繊維100%
価格:2480(参考)
仕舞寸法が1m近いため山岳移動では邪魔になる長さですが、車での移動なら問題ありません。
また、グラスロッドと表記が有ってもカーボンが使われている場合が有るので、心配だったのですが、
調べたところ100%グラスでした。
VCHアンテナ用コイルの作成
コイルは、キットで頒布している「塩ビ管コイルキット」を使用します。
原典では直径67mmで30Tのコイルとなっていますが、塩ビ管が60mm(ガイドを付けて62mm)を使用するので
ターン数を増やします。
【コイルの仕様】
コイルの芯:塩ビ管(長さ104mm)
全長:140mm
コイルの長さ:100mm
コイルのピッチ:3mm
ターン数:32T
塩ビ管の長さ:136mm
【塩ビ管をカット、穴あけ】
塩ビ管のカット~穴あけの手順は以下のリンクを参照してください。
釣り竿に直付け出来る「塩ビ管コイルキット」
【コイル固定ガイドを付ける】
カットした塩ビ管にコイル固定ガイドを付けます。
今回は3mmピッチコイル固定ガイドを6か所付けます。
【コイルを巻く】
本来なら、1~2mmの線を巻くところですが、手持ちがなかったので0.8mmの線を巻いてみました。
【コイルストッパーの加工】
竿の先端から約1.5mの位置は直径が約11mmと小さくそのままではコイルが上手く固定できません。
そこで、コイルストッパーを利用します。
コイルストッパーの底面に、約8mmの穴が開いているので、コイルを止めたい位置に合わせ
ドリルやリーマで加工します。(上下2か所)
加工が終わったら竿に傷が付かないようにヤスリ等でバリを取ります。
私の場合は上側が10.4mm(写真左)、下側が11.4mm(写真右)でした。
【組み立てる】
上下エレメント及びグランドエレメントはACケーブルを半分に割った物を使用しました。
コイルに付ける部分は圧着を付けます。
給電部は別キットのROD-BOXを使用します。今回はバランやATUは使用せず直接給電とします。
※ROD-BOXは釣り竿等にUNUNやバラン等を直付け出来るケースです。
内部にトロイダルコアを固定するための穴が付いています。
- 上部エレメンは先端を釣り竿の先端に養生テープで固定しました。
- 下部エレメントはそのままでは余ってしまうので、釣り竿に適当に巻き付けます。
- グランドエレメントはなるべく直線的にVSWRが下がる位置を確認しながら配置します。
- コイルは無調整で6.9MHzに共振しているため、ワニ口クリップで同調点を探ります。
この状態で7.099MHzでVSWRが1.0まで追い込むことができました。
アンテナの感度や交信実績は、今後追記します。
※ROD-BOXは釣り竿等にUNUNやバラン等を直付け出来るケースです。
内部にトロイダルコアを固定するための穴が付いています。
上のボルトに下部エレメント、右側ボルトにグランドエレメントを接続します。
左側は何も接続しません。
ROD-BOXの内部
コイルキット及びROD-BOXキットの頒布は準備中です。(2023/02/14)
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