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2023年2月

2023年2月24日 (金)

VCH上部エレメント2段アンテナ(実験中)

VCHアンテナは、上部エレメントの1/4波長(エレメント+コイル)と下部エレメント+地上エレメント1/4波長からなり、下部エレメント+地上エレメントの間のインピーダンスが50Ωになる点で給電されることで、非常によく検討されたアンテナです。

しかし、最近は釣り竿がグラスファイバーからカーボンに移行しており、4.5m以上のグラスファイバーロッドの入手が困難になってきました。そのため、VCHベースで3.6m程度の短いグラスファイバーロッドでも運用可能なアンテナを検討する必要が生じています。


検討した結果、上部エレメントを2段重ねることでエレメント長が3m程度になる事が判りました。

以下の図をご覧ください。インピーダンスが50Ωになる点で給電しようとするとコイルの途中になってしまうため、

1:9UNUNを用いてアンテナの端から給電してみました。

※これって単なる1/2波長ベースロードアンテナでは...w

Wvch

本来この給電方法ではATUなどのマッチング回路が必要となります。

まだ、実験段階ですが、下部のVCHコイルをワニ口クリップで調整することで

7MHzではVSWRが1.5程度まで下げる事が出来ました。

(参考)

7MHz 1.5

14MHz 2.0

21MHz 2.2


このアンテナのメリットとデメリット(想定を含む)

【メリット】

  • 短い釣り竿でも実現できる
  • 調整が手元で出来るので簡単になる

【デメリット】

  • vchアンテナより利得が低下する(予測)
  • コイルが2個になり重くなる
  • VSWRが落ちきれず、ATUが必要になる?

今回はここまでですが、検証を進めて情報を更新したいと思います

 

 

 

2023年2月18日 (土)

WWRアンテナ 直付けATU (実験)

Dsc_0054_20230218171101

WWRアンテ ナはカーボンファイバーを使った釣り竿(以下カーボンロッド)を

アンテナのエレメントとして利用するものですが、必ずATUが必要になります。

WWRアンテナの電気的特性については以下のページをご覧ください。

特別寄稿 カーボンファイバーロッドによるSOTA用アンテナ (FB NEWS)

小型のATUも有りますが山岳移動などなるべく荷物を減らしたいところです。

今回はカーボンロッドのJINKING 7.2mを使用し、7MHzで運用することを目指します。

また、50mm×65mmx30mmのボックスにマッチング回路を納めます。


【マッチング回路案1】

小型のマッチング回路としてGAWANT方式があります。GAWANTでは1.5m程度の

ロッドアンテナを使用しますがロッドアンテナの替わりにカーボンロッドを使用します。

コイルの巻き数等を調整したところ以下の構成となりました。

Gawant

トロイダルコアのコイルはオリジナルのGAWANT7より巻き数が少なくなりました。

エレメント長が7.2mと長く給電方法を直接給電ではなく外側巻いたアルミテープに

給電する非接触方式とし事による影響と思われます。

 1次側:2T

 2次側:30T

屋外で実験する前に軒先で試すと以下の様にVSWRは1.1まで下がりました。

Center_0002_burst20230217215448877

しかし、屋外で2以下になりませんでした。周囲の影響が大きく影響していると思われます。

また、ポリバリコンの調整が非常にクリチカルで非常に不安定で、扱いにくいため再検討することにしました。


【マッチング回路案2】

一般的なATUはTマッチが多く使われています。

Atu

マルチバンドに対応する場合は、コイルを切り替えるスイッチやリレーが必要になりますが、

モノバンドであれば構造をシンプルにできます。部品は、案1で作成したものを流用します。

Atu2

バリコンは1個しかありませんが、外側巻いたアルミテープとロッドアンテナの間に

当初約300PFの容量がありました。容量が少ないため、アルミテープを大きくして

約397PFにしました。

 

Dsc_0067_20230220143401

カウンターポイズを追加して調整した結果7.054MHzで1.0まで追い込む事ができました。

Dsc_0066_20230220143401

また、1.5以下の範囲が±100KHzあり調整は格段に楽になりました。

Dsc_0065_20230220143401

2023年2月14日 (火)

「塩ビ管コイルキット」を使ったVCHアンテナ用コイルの作成

Dsc_0050

最近はカーボンロッド直接給電が流行っていますが、VCHアンテナも簡易に同調を調整でき根強い人気があります。

※原作者はJP6VCH/松木さんです。(2006年11月号CQ誌141頁「新QRP通信」

しかし、グラスロッドは最近販売量が減っており入手困難ですが、たまたま立ち寄った

釣具店(上州屋)でグラスロッドが安く手に入ったのでこれでVCHアンテナを作ってみました。


動作確認

原典に近い仕様を目標にしましたが、塩ビ管コイルキットと手持ちの材料で作りました。

※作成については、「VCHアンテナ用コイルの作成」の項を参照してください。

4.5mの竿では下部エレメントが長く余るので、竿に適当に巻いて測定してみました。

①調整無しで測定したところ、6.933MHzでVSWRは1.0(6.94MHzで1.24)となり、

コイルのターン数が多いようです。

Dsc_0048_20230214112401

Dsc_0049

ワニ口クリップで同調点を調整したところ、7.099MHzで1.0まで追い込むことができました。

Dsc_0055_20230214112401

ATU等は使わず直接給電です。

Dsc_0052_20230214112301

Dsc_0053_20230214112301

Dsc_0054_20230214112401

給電部は、別キットの「ROD-BOX」を使用しています。

Dsc_0051_20230214120901

 


釣り竿について

Dsc_0046_20230210182501

メーカー:スズミエンタープライズ

品名:万能 硬調 H450

長さ:450m

継数:5本

自重:264g

先径:1.7mm

元径:24.2mm

仕舞寸法:104cm

タイプ:硬調振りだしロッド

素材:グラス繊維100%

価格:2480(参考)


仕舞寸法が1m近いため山岳移動では邪魔になる長さですが、車での移動なら問題ありません。

また、グラスロッドと表記が有ってもカーボンが使われている場合が有るので、心配だったのですが、

調べたところ100%グラスでした。


VCHアンテナ用コイルの作成

コイルは、キットで頒布している「塩ビ管コイルキット」を使用します。

原典では直径67mmで30Tのコイルとなっていますが、塩ビ管が60mm(ガイドを付けて62mm)を使用するので

ターン数を増やします。


【コイルの仕様】

コイルの芯:塩ビ管(長さ104mm)

全長:140mm

コイルの長さ:100mm

コイルのピッチ:3mm

ターン数:32T

塩ビ管の長さ:136mm


【塩ビ管をカット、穴あけ】

塩ビ管のカット~穴あけの手順は以下のリンクを参照してください。

釣り竿に直付け出来る「塩ビ管コイルキット」


【コイル固定ガイドを付ける】

カットした塩ビ管にコイル固定ガイドを付けます。

3mm

今回は3mmピッチコイル固定ガイドを6か所付けます。

Dsc_0029_20230210182401


【コイルを巻く】

本来なら、1~2mmの線を巻くところですが、手持ちがなかったので0.8mmの線を巻いてみました。

Dsc_0034


【コイルストッパーの加工】

竿の先端から約1.5mの位置は直径が約11mmと小さくそのままではコイルが上手く固定できません。

そこで、コイルストッパーを利用します。

Dsc_0036_20230210133001

コイルストッパーの底面に、約8mmの穴が開いているので、コイルを止めたい位置に合わせ

ドリルやリーマで加工します。(上下2か所)

Dsc_0041_20230210182401

加工が終わったら竿に傷が付かないようにヤスリ等でバリを取ります。

Dsc_0043_20230210182501

私の場合は上側が10.4mm(写真左)、下側が11.4mm(写真右)でした。

Dsc_0045_20230210182401


【組み立てる】

上下エレメント及びグランドエレメントはACケーブルを半分に割った物を使用しました。

コイルに付ける部分は圧着を付けます。

給電部は別キットのROD-BOXを使用します。今回はバランやATUは使用せず直接給電とします。

※ROD-BOXは釣り竿等にUNUNやバラン等を直付け出来るケースです。

内部にトロイダルコアを固定するための穴が付いています。

  • 上部エレメンは先端を釣り竿の先端に養生テープで固定しました。
  • 下部エレメントはそのままでは余ってしまうので、釣り竿に適当に巻き付けます。
  • グランドエレメントはなるべく直線的にVSWRが下がる位置を確認しながら配置します。
  • コイルは無調整で6.9MHzに共振しているため、ワニ口クリップで同調点を探ります。

この状態で7.099MHzでVSWRが1.0まで追い込むことができました。

アンテナの感度や交信実績は、今後追記します。

※ROD-BOXは釣り竿等にUNUNやバラン等を直付け出来るケースです。

内部にトロイダルコアを固定するための穴が付いています。

上のボルトに下部エレメント、右側ボルトにグランドエレメントを接続します。

左側は何も接続しません。

Dsc_0047_20230214125601

ROD-BOXの内部


コイルキット及びROD-BOXキットの頒布は準備中です。(2023/02/14)

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