FTX-1を制御する「RigComFTX」Ver0.2h
(RigComFTXのイメージ)
履歴
| RigComFTX本体 | 編集ソフト | リリース日 | 内容 |
| RigComFTXv01 | なし | 2025/08/17 | 初版 |
| RigComFTXv02 | MacroEditFTXv01 | 2025/09/13 | マクロ対応 |
| RigComFTXv02a | MacroEditFTXv01a | 2025/09/13 | マクロ仕様変更 |
| RigComFTXv02b | 2025/09/14 | 周波数表示変更 | |
| RigComFTXv02c | 2025/09/22 | 無線機の状態取得修正 ※CQ誌11月号掲載版 |
|
| RigComFTXv02d | 2025/09/23 | MIC GAIN、SQL VOL、マクロ追加 | |
| RigComFTXv02e | 2025/09/24 | 周波数設定にマウスホイールを対応 | |
| RigComFTXv02f | MacroEditFTXv01b | 2025/09/28 | 表示関係強化、新マクロ対応、ICON変更 |
| RigComFTXv02g | MacroEditFTXv01c | 2025/10/05 | マクロ切替、マクロ追加、マクロ表示 |
| RigComFTXv02h | MacroEditFTXv01d | 2025/11/07 | 2025/11ファームウェア対応(新規) |
| 2025/11/13 | MacroEditFTX用パッチ、解凍後、ListTbl.txtを dataフォルダーに保存してください。※ |
※1ダウンロードは、履歴のリンクをクリック
※2マクロ編集ソフトで先頭のファイルが表示されない不具合の修正
FTX-1が他の無線機に比べて優れている点は以下の3つが挙げられます。
①モジュール構成:本体とパワーアンプを分離でき、持ち運びにも据え置きにも対応します。
②高性能受信回路:上位機種と同じSDR回路を搭載し、混雑した周波数でもクリアに受信できます。
③2波同時受信:異なる周波数を同時に受信でき、効率的な運用が可能です。
FTX-1は、本体をコンパクトにしたことで、大型機に備わっていた多くの設定ボタンがFUNC(ファンクション)
ツマミからメニューを表示して操作する必要が出てきました。
特に、受信状態や他局への混信に注意しながら操作する機能は、確認が難しくなりました。DX通信やコンテスト
など、素早い操作が求められる場面では、貴重なチャンスを逃す可能性があります。
そこで、当局の独断で必要と思われる機能をまとめました。なお、別途開発したマクロ編集ソフトにより
カスタマイズが可能です。
機能概要
RigComFTXは大きくわけて5つのブロックに分かれています。
| メインコントローラー | 各モード、各バンドなどに共通する項目 |
| マクロリスト | 予め設定したマクロを順次送信する機能。 |
| PHONE | SSB、FM、AMなどPHONEに関する項目 |
| CW | CWに関する項目 |
| コンテストメモリーキーヤー | オプションから除外されたFH-2の一部を代替えする機能 |
RigComFTXの特徴
- 設定に関するほぼ全てのCATコマンドが使用可能
- データを取得するCATコマンドは一部のみ実現
- RigComFTXよりFTX-1本体操作を優先
- 本体のFUNCボタンの操作を1ボタン(またはマクロ)で実行可能
- VFO LOCKの周波数変更やCLAR操作など本体からは操作出来ない項目も実行可能
- マクロ機能により1操作で最大4つの設定が可能。マクロボタンは12個用意
事前準備
①RigComFTXはWindows用のアプリです。使用するPC(Win10またはWin11)を用意してください。
②RigComFTXはUSBポートを使用します。使用するPCに仮想COMポートドライバーをインストールしてください。
③FTX-1とPCをUSBポートで接続し、PC、無線機の順に電源をいれてください。
④COMポートの番号(Enhanced COM Port側)を確認してください。
※仮想COMポート(CAT)を使用するWSJT-X、JTDX等と同時使用は出来ません。
スタンダードCOMポートを使用するDSCW等は同時使用が可能です。
【ダウンロード】
履歴の表のリックから最新のものをダウンロードしてください。
旧版をダウンロードすることもできます。
インストール
ZIPファイルを解凍し、フォルダーごと任意の場所に保存してください。
起動
①解凍したフォルダーの中にある「RigComFTX.exe」をダブルクリックしてアプリを起動してください。
以下のメッセージが表示されたら
詳細情報⇒実行の順にクリックしてください。次回以降はこのメッセージは表示されません。
OSの環境によっては、起動時次のようなエラーメッセージが表示される場合があります。
指示に従って.NET Desktop をインストールしてください。
以降の解説は仮想COMポートドライバーおよび、.NET Desktopがインストール済の状態を前提に行います。
操作について
RigComFTXは5つブロックがあり、更に小ブロックの組み合わせて構成されております。
解説は各小ブロックごとに行います。
【シリアルポートブロック】
初めてRigComFTXを起動するとCOMポートの項目にダミーでのデータが表示されます。
①取得をクリックしてください。COMポートにPCのCOMポート番号が表示されます。
もし、エラーが表示される場合や、COMポート番号が表示されない場合は、USBケーブルやPCとの接続を確認してください。
②COMポート番号(図のCOM9と表示されている場所)をクリックしCATのPORT番号を選択してください。
通信速度が38400(デフォルト)以外の場合は、FTX-1の速度に修正してください。
※一度、COMポートを設定するとCOMポート番号と通信速度が記憶されるので、次回の取得操作は不要です。
環境が変わった場合は、再取得してください。
③操作を開始する場合は接続をクリックしてください。接続が完了すると表示が切断にかわります。
④操作が終了したら切断をクリックしてください。
※以降の解説は接続状態を前提に行います。
【VFOブロック】
起動するとVFOブロックのMAINまたはSUBの文字がオレンジ色に変わります。
これはオレンジ色のVFOが送信側(FTX-1本体でTXRXと表示されている側)です。
①黒文字のVFOをクリックすると本体のVFOが切替わり、文字がオレンジ色に変わります。
(以下、「VFOアクト側」と記載)
②LOCKにチェックを入れるとDIAL LOCKが動作し本体側のVFOの操作がLOCKされます。
③VFO入替えをクリックするとMAINとSUBの内容が入れ替わります。
※以下の操作はVFOアクト側に対しておこないます。VFO非アクト側の設定をおこなう
場合は、VFOを切り替えてから操作してください。
【CLARブロック】
①CLARのBOXの「V」をクリックするとCLARのモードが表示れるので、選択します。
※選択の替わりにマウスのホィールを使うことができます。
| OFF | CLAR OFF |
| RX | 受信周波数だけ動かす |
| TX | 送信周波数だけ動かす |
| RXTX | 送信周波数または、受信周波数に合わせる |
②ZEROをクリックするとCLAR周波数を0Hzに戻すことができます。
③中央のスライダーを移動するとCLAR周波数を変更することができます。ただし、マウス操作の操作は微調整が困難なので、以下の操作がお勧めです。
- スライダーを左クリック
- マウスホイールを前(+方向)または後(-方向)に操作操作すると数Hz単位で変更できます。
相手の信号を受信しながらホイールを操作すると便利です。
なお、本操作はVFOがロック状態でも可能となっておりFTX-1本体には無い機能です。
【RF POWERブロック】
①COMポートの接続が完了するとRF POWERブロックにオレンジ色で表示がでます。
| FTX-1F | 設定範囲:5~10W |
| SPA-1 | 設定範囲:5~50W |
②QRP 5Wにチェックを入れると①の設定にかかわず5Wに設定されます。
チャックを外すと元の設定にもどります。
③スライダーを操作すると数W単位で出力が変わります。1W単位で変更したい場合は、
スライダーを選択した状態でキーボードの「⇦」または「⇨」を押します。
④中央の四角に現在の出力が表示されますが、ここで設定を変更することは出来ません。
【FREQUENCYブロック】
画面の3つのBOXは左からMHz、KHz、Hzの順に並んでいます。
現在選択中の場所は背景がオレンジ色になっています。
※MEMモードの場合、UP/DOWN/設定は無効です。
①キーボードから周波数を設定する場合
キーボードから数値を直接入力し、設定をクリックすると本体の周波数が変更できます。
この入力には補完機能があり空白の場所は0で埋められます。
3文字以上の場合下3桁が有効です。
例:1 2 ⇒ 102
⇒ 000
1234 ⇒ 234
※数字以外は入力しないでください。(符号やピリオドもNG)
②設定をクリックすると本体の周波数が変更されます。
③取得をクリックすると現在のVFOの値を表示します。
④UP および DOWNをクリックすると周波数を上下に変更できますが、各単位で変更量が異なります。
⑤画面の3つのBOXの一つを選択後、マウスホイールを操作すると連続で周波数が変えられます。(NEW)
【UP】【DOWN】【マウスホイール】で変更できるステップ
| MHz | 1MHzステップ |
| KHz | 1KHzステップ |
| Hz | SSB,CW = 20Hz DATA、RTTY = 10Hz その他 = 100Hz |
【VOLブロック】
アイテムはスライダーが1つです。VFOアクト側のVOLを操作します。
スライダーをマウスで移動するかマウスホイールを操作してください。
FTX-1本体を操作した場合、取得をクリックすると更新されます。
【TUNERブロック】
本機能は、外部チューナーを接続した場合または、POWER AMPを接続した場合のみ有効です。
①TUNE TUNEのOFFまたはONを設定します。
②UNLOCKにチェックを入れないとANT TUNEボタンが操作できません。これは誤操作防止対策です。
③UNLOCKにチェックが入った状態でANT TUNEボタンをクリックするとTUNE操作が開始されます。
【受信設定ブロック】
①ATTにチェックを入れるとATTがONになります。(2025/11のファームウェアで改善)
不思議なことにVFOアクト系がSUBでもMAIN側しか操作出来ないため、MAINと記載しています。(バグかも?)
②DNFにチェックを入れるとDNF(デジタルノッチフィルター)がONになります。
③AGCを設定することができます。OFF/AUTO/FAST/MID/SLOW
④メーターの種類を設定することができます。
| PO | 送信出力 |
| COMP | コンプレッションレベル |
| ALC | ALC電圧 |
| VDD | 終段FETのドレイン電圧 |
| ID | 終段FETのドレイン電流 |
| SWR | アンテナの整合状態 |
【スコープ表示ブロック】
①D-MODEでスコープ表示を変更することができます。
| 3DSS/CENTER | 3DSSモード、常にセンターが受信周波数 |
| 3DSS/CURSOR | 3DSSモード、SPANで設定した範囲を表示 |
| 3DSS/FIX | 3DSSモード、スタート周波数固定表示 |
| WH/CENTER | WHモード、常にセンターが受信周波数 |
| WH/CURSOR | WHモード、SPANで設定した範囲を表示 |
| WH/FIX | WHモード、スタート周波数固定表示 |
②SPAN周波数を設定することができます。1000k/500k/200k/100k/50k/20k/10k/5k
※SPANは、各バンド、VFO MAIN、VFO SUB別に設定されるようです。(仕様?)
設定する場合はVFOをMAIN、BAND(または周波数)を設定後に操作してください。
SUB側を設定したい場合は、MAIN側で設定後に「VFO入替え」をクリックしてください。
③SPEEDでスコープの表示速度を表示することができます。SLOW1/SLOW2/FAST1/FAST2/FAST3/STOP
④FUNCツマミに設定する項目を選択できます。
D-LEVEL/D-PEAK/D-COLOR/D-CONTRAST/DIMMER/MIC GAIN/PROC LEVEL/AMC LEVEL/
VOX GAIN/VOX DELAY/RF POWER/MONI LEVEL/CW SPEED/CW PITCH/BK-DELAY
FUNCツマミを回すと設定した項目の値を変更することができます。
【ダイレクト入力ブロック】※取扱注意
注意事項
- 上級者向けです。CATコマンドを理解できない場合は使用しないでください。
- RigComFTXに無い機能(CATコマンド)を直接入力できます。
- コマンドの正常性の確認は行いません。自己責任で確認してください。
- 使用できるCATコマンドは設定のみです。読出、応答には対応していません。
- 入力できるのは1コマンドです。複数のCATコマンドを続けて入れることはできません。
× AB;CD; 〇 AB;
①CATコマンドを入力します。ターミネータ(;)を省略することはできません。
②送信を押すと直ちに送信されます。
【BANDブロック】
①DOWNをクリックするとBANDが1つ下がります。
②UPをクリックするとBANDが1つ上がります。
③中央のBOXをクリックするとBANDを選択することができます。
1.8/3.5/5/7/10/14/18/21/24.5/"28/29"/50/"70/GEN"/AIR/144/430
※BANDを取得するコマンドが無いため、VFOや周波数を変更してもBANDの表示は変わりません。
【MODE】
①DOWNをクリックするとMODEが1つ下がります。
②UPをクリックするとMODEが1つ上がります。
③中央のBOXをクリックするとMODEを選択することができます。
LSB/USB/CW-L/CW-U/AM/AM-N/FM/FM-N/DATA-L/DATA-U/
D-FM/D-FM-N/RTTY-L/RTTY-U/PSK/C4FM-DN/C4FM-VW
※VFOやBANDを変更するとMODEの表示も変更されます。
【VFO/MEMブロック】
①V/MをクリックするとVFOモードとMEMモードが切替わります。(トグル)
②M⇒Vをクリックすると最後に使用したメモリーの内容をVFOにコピーします。
③SPLITのOFF/ONを選択できます。
【MEM UP/DOWN】
MEMのUP/DOWNはメモリーグループ内の機能になります。
- メモリーグループが異なる場合は変更できません。
全メモリを対象にUP/DOWNしたい場合は、「M-ALL」を選択してください。 - MEMの登録が無いMEMは設定できません。
①DOWNをクリックするとMEM番号が1つ下がりMEM番号が表示されます。
②UPをクリックするとMEM番号が1つ上がりMEM番号が表示されます。
③MEM番号を直接入力することはできません。
④取得をクリックすると本体のMEM番号が表示されます。
【マクロリストブロック】
マクロの作成・編集は、専用ツール「MacroEditFTX」で行います。
※「MacroEditFTX」の詳しい解説はMacroEditFTXの使い方を参照してください。
①F1~F12はマクロのボタンです。ボタン上の名称はマクロの名称でユーザーが設定可能です。
マクロのボタンをクリックすると登録されたコマンドが順番に送信されます。
マクロの動作中はボタンの文字色がオレンジ色に変わり終了すると元にもどります。
②インターバルでマクロの送信タイミングを調整できます。通常はAutoモードで使います。
| 停止 | マクロの送信を停止します。(誤操作防止) |
| Auto | システムで設定した間隔でコマンドを送ります。 |
| 3秒 | 3秒間隔でコマンドを送ります。 周波数を順番にモニターする時などに便利です。 |
| ステップ | 1コマンド毎に停止します。OKをクリックすると次に進みます。 |
③「Load」ボタンをクリックするとマクロファイルを変更することができます。
⇩
サンプルとして「BAND_LIST.cfg」がプリインストールされています。
ファイルを選択すると内容が変更されます。
※Com.cfgは選択しないでください。RigComFTX.cfgのファイルは絶対に削除しないでください。
マクロファイルをMacroEditFTX以外で編集しないでください。異常が発生する可能性があります。
④マクロを送信する前に内容を確認するのは、F1~F12をクリックすると内容が表示されます。
確認したら「OK」をクリックしてください。
【PHONEブロック】
①VOXをOFF/ONできます。
②VOX SELECTでVOXの対象デバイスを選択できます。MIC/USB/Bluetooth
③CW AUTO(SSB)のOFF/ONできます。
※CW AUTOとは、SSBモード時にモードを切り替えずにCWが打てる機能です。F2Aは未対応
④MAIC GAINを設定できます。MIC GAINはCWおよびRTTYモードでは設定できません。
FTX-1本体を操作した場合、取得をクリックすると更新されます。
⑤SQLの設定ができます。【SQL/RF VR】の設定がAUTOの場合、設定可能なモードは
AM,AM-N,FM,FM-N,VM,C4FM,DーFM,DFM-Nとなっています。
FTX-1本体を操作した場合、取得をクリックすると更新されます。
⑥【UP】をクリックするとVFOのUPスキャンが開始し文字がオレンジ色に変わります。
停止する場合は【UP】または【DOWN】をクリックします。
※メモリーモードの場合はメモリースキャンに変わります。
⑦【DOWN】をクリックするとVFOのDOWNスキャンが開始し文字がオレンジ色に変わります。
停止する場合は【UP】または【DOWN】をクリックします。
【CWブロック】
①BK-INをOFF/ONできます。
②BK-IN TYPEを設定できます。SEMI/FULL
③CW INDCARTOの表示をOFF/ONできます。
④KEYER TYPEを選択できます。OFF/BUG/ELEKEY-A/ELEKEY-B/ ELEKEY-Y/ACS
⑤NOR/REVでKEYERの極性を反転できます。NOR/REV
⑥ZINをクリックするとZERO INとなります。
⑦KEYERの速度(WPM)を設定できます。
FTX-1本体を操作した場合、取得をクリックすると更新されます。
※いずれの設定もCWモード時に有効となります。
【コンテストメモリーキーヤーブロック】
コンテストメモリーキーヤーはオプションSH-2の一部をシミュレートした機能です。
①1~5はそれぞれメモリーの1~5に対応します。それぞれのボタンをクリックすると
登録されたCWメモリーの内容を送信します。
②TEXTとMESSAGEはメモリーの種類を選択します。途中で切り替えることも可能です。
③コンテストナンバーは入力したナンバーの初期値を入力します。
④設定をクリックするとコンテストナンバーが本体に設定します。
【その他】
画面上の文字をクリックすると簡易HELPを表示します。
なお、全ての文字にHELPが設定されている訳ではありません。
(MODEの文字をクリックした例)
ソフトウェア利用規約
このソフトウェアは2025年9月現在、ベータ版です。今後、予告なく仕様が変更される可能性があります。
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