(パソコン版)無線機プログラマブルリモコン「RigCommander」

Rigcommander

 最近の無線機は機能が高度化し、目的の設定にたどりつくまで何度もボタンを押したり、
ダイヤルを回したりする必要があります。また、操作も機種ごとに異なっており、
取説なしに操作することが困難になっています。

 たまにしか使わない機能ならそれでも良いのですが、頻繁に使う機能は面倒になります。
そこで、普段使う機能をボタン1つで操作できるリモコンを作成しました。

※本ソフトはフリーソフトです。再配布は自由ですが、商用配布は禁止します。

※雑誌、Webサイト、SNSへの紹介等は自由ですが、ご連絡いただければ幸いです。

 紹介記事へのリンクを貼る場合があります。

※ソフトはWindows版のみ。Mac対応版はありません。

※ソフトの動作確認済無線機は、IC-705、FT-818ND、FT-710ですが、他の機種でも動作可能な場合があります。

※バグ等のレポートを募集しますが、バグ修正等に応じられない場合があります。

※本ツールを使用して不具合が発生しても当局は責任を負いません。自己責任でお願い致します。


「RigCommander」 には3種類のモードが有ります。各モードごとの概要は以下のとおりです。

モード 概要
コマンド編集
  • マイコン版コントローラーと同じ配置の操作画面
  • 設定したいボタンを押すと設定済のコマンドが画面右に表示される
  • コマンドはプルダウンメニューを選択
  • サブコマンドで周波数や電波形式を入力
  • データ保存時にデータの正常性チェックを行う
  • 上級者向けにカスタムコマンドを用意
無線機リモコン
  • ボタン1~ボタン7をクリックすると設定したコマンドを順次送信する
  • デバック機能として設定コマンドを一時的に変更できる
  • リモートディスクトップを利用すれば、遠隔操作も可能
データ転送
  • マイコン版コントローラー(現在はIC-705BTのみ)に編集したデータを送る
  • データは各ボタン毎に順次変更できる
  • CI-Vアドレスのアドレスが変更できる

【初期設定】

◆インストール

以下のソフトをダウンロードし、任意の場所に解凍します。

ダウンロード - rigcommander_v02.zip

◆事前準備

1.編集ソフトを起動する前にPCと無線機を接続するためにドライバーをインストールしてください。

※既にFT8等でCAT接続していれば、ドライバーはインストール済ですので改めてインストールは不要です。

2.PCと無線機を接続し無線機の電源をONにしてださい。

◆RigCommderの各部名称

Photo_20240523154801

ボタン1 ボタン7 コマンド設定/シミュレーション/転送 作成したコマンドの設定
ボタン2 セットボタン SAVE/接続/切断 コマンドのキャンセル
ボタン3 RigType(無線機の種類) エキスパート IC-705BTモード
ボタン4 CI-V(アドレス) 選択中ボタン    
ボタン5 PCとの通信速度 インターバル    
ボタン6 通信ポート コマンドおよびサブコマンド    

◆起動

1.「RigCommander.exe」をダブルクリックしてください。

 ※無線を接続せずに起動すると「.NET Framework」のエラーが出ます。

  無線機を接続せず、編集のみを実施する場合は「続行」をクリックしてください。

2.⑬プルダウンメニューで「コマンド編集」を選択してください。

3.⑨RigTypeを選択してください。⑩IC-705ではCI-Vを確認してください。

4.⑪通信速度を無線機の設定に合わせてください。
 ※IC-705は自動設定のため、9600のままで問題ありません。

5.⑫COMポートを選択してください。使用可能なCOM番号が選択できます。
  COM番号はCI-VまたはCAT用ポートです。詳しくは無線機の取説を確認してください。

6.設定が終了したら⑭SAVEクリックして設定を保存してください。

 ※SAVEボタンをクリックすると設定が保存されます。次回起動時は、SAVEした状態で起動します。

◆接続確認

 設定が正しいか接続確認をします。

1.⑬プルダウンメニューで「無線機リモコン」を選択します。

2.⑭の表示が接続に変わるので⑭接続をクリックしてください。

3.ボタン1~7を押して無線機の設定が変わることを確認してください。

 ※通信エラーが発生する場合は設定を確認してください。

 ※「ポート'COM-x'へのアクセスが拒否されました」と表示される場合は、別のソフトがポートを

  使用中の可能性があります。該当する通信ソフトを終了してください。

4.終了する場合は⑭切断をクリックしてください。

(初期設定)

  FT-818ND IC-705 FT-710
ボタン1 VFO-A/B VFO-A VFO-A
ボタン2 電波形式NEXT VFO-B VFO-B
ボタン3 周波数7.05MHz、LSB 周波数7.05MHz、LSB VFO-A、3.535MHz、LSB
ボタン4 周波数21.15MHz、USB 周波数21.15MHz、USB VFO-A、7.05MHz、LSB
ボタン5 周波数51MHz、FM 周波数51MHz、FM VFO-A、21.15MHz、USB
ボタン6 周波数145MHz、FM 周波数145MHz、FM VFO-A、28.2MHz、USB
ボタン7 周波数433MHz、FM 周波数433MHz、FM VFO-A、50.5MHz、USB

【コマンド編集】

ボタン1~ボタン7にはそれぞれ4つのコマンドが設定できます。

コマンドによってはパラメータが設定が必要です。(例:コマンド=電波形式、サブコマンド=AM)

◆コマンド編集手順

1.編集したいボタン(①~⑦)をクリックします。設定済のコマンドが表示されます。

  ※表示された設定を消したい場合は、⑳キャンセル ⇒ ⑲設定をクリックしてください。

2.⑰インターバルはデフォルトのままで問題ありません。

3.コマンド1のプルダウンメニューを開き選択してください。

4.サブコマンドが必要な場合、ガイド文字を参考にキー入力してください。

5.複数コマンドを入力する場合はコマンド2~4を同様に入力してください。

6.コマンドが入力終わったら必ず、⑲設定をクリックしてください。

  サブコマンドに異常がある場合、エラーが表示されるので修正してください。

7.コマンドの設定が終わったら、必ず⑭「SAVE」をクリックしてください。設定ファイルに保存されます。

(コマンド一覧)

FT-818ND IC-705 FT-710
周波数設定(MHz)
電波形式設定
電波形式(NEXT)
VFO A/B
スキャンON/OFF
周波数UP
周波数DOWN
SPLIT-ON/OFF
SPLIT-OFF
SPLIT-ON
PTT-ON/OFF
PTT-OFF
PTT-ON
LOCK OFF
LOCK ON
タイマー
カスタムコマンド

周波数設定
電波形式設定
電波形式設定NEXT
VFOモード
VFO-A
VFO-B
メモリーモード
メモリーCH
メモリーGr
スキャン停止
PROスキャン-ON/OFF
⊿Fスキャン-ON/OFF
⊿Fスキャン周波数
Allメモスキャン-ON/OFF
セレクトスキャン-ON/OFF
セレクトメモリ解除
セレクトメモリ選択
スプリット-ON/OFF
スプリットOFF
スプリットON
ブレークインOFF
セミブレークイン
フルブレークイン
キーイングスピード
CWメッセージ登録
CWダイレクト送信
PTT-ON/OFF
PTT-OFF
PTT-ON
送信出力
LOCK OFF
LOCK ON
タイマー
カスタムコマンド

周波数設定VFO-A
周波数設定VFO-B
電波形式設定
電波形式設定NEXT
VFO-A/B
VFO-A
VFO-B
メモリーCH
スキャン停止
UPスキャン-ON/OFF
DOWNスキャン-ON/OFF
スプリット-ON/OFF
スプリットOFF
スプリットON
セミブレークイン
フルブレークイン
PTT-ON/OFF
PTT-OFF
PTT-ON
送信出力
LOCK OFF
LOCK ON
タイマー
カスタムコマンド

※FT-818NDの「スキャンON/OFF」はコマンド1にしか設定できません。

カスタムコマンドは上級者向けのコマンドです。CI-VやCATを理解できない場合は使用しないでください。
 また、メーカーの取説に無いコードを設定しないでください。無線機の動作が保証されません。


【無線機リモコン】

◆無線機と接続

1.⑬プルダウンメニューで「無線機リモコン」を選択します。

2.⑭「接続」をクリックします。

 ※「ポート'COM-x'へのアクセスが拒否されました」と表示される場合は、別のソフトがポートを

  使用中の可能性があります。該当するソフトを終了してください。

◆コマンド操作

1.操作したいボタンをクリックします。

2.コマンドが順次送信されます。

 ※コマンドによっては無線機の設定が優先され、コマンドが有効にならない場合があります。

◆コマンドのデバック

1.ボタンをクリックすると、送信された結果が⑱コマンドおよびサブコマンドに表示されます。

2.表示されたコマンドおよよびサブコマンドを編集します。

3.設定ボタンをクリックします。
 ※内部メモリーにコマンドおよびサブコマンドを保管します。

4.編集したボタンと同じボタンをクリックします。

5.編集したコマンドを保存する場合は、「切断」⇒「コマンド編集」⇒「SAVE」の順にクリックします。

 ※内部メモリーに保管したデータを設定ファイルに保管します。


【データ転送】

IC-705BTへのデータ転送について説明します。

◆データー転送の事前準備

1.IC-705BTのUSBポート(通信)とPCを接続し、PCのデバイスマネージャーでCOMポート番号を確認します。

  ※CV-IのCOMポート番号とは異なります

Usb_20240513212001

ドライバーのインストールに失敗する場合やCOMポートが表示されない場合は、以下のURLを参照しドライバーをインストールしてください。

WindowsパソコンにFTDI社製USBシリアルドライバを手動インストールする手順

2.編集ソフトを再起動する。(再起動しないとCOMポートが選択できない場合があります。)

3.⑬プルダウンメニューで「コマンド編集」を選択する。

4.⑫COMポート番号を選択する。

5.㉑IC-705BTにチェックを入れる。

6.コマンド編集モードに変更し、SAVEボタンをクリックしてます。

◆データ転送

 必ず以下の手順に従ってください。手順を誤るとデータ転送に失敗する可能性があります。

1.⑬プルダウンメニュー で⑬「データ転送」を選択する。

2.IC-705BTの①ボタン1(赤)を押したまま、⑫リセットを1度押します。LEDが緑に点滅します。

3.①ボタン1(赤)を押したまま⑭「接続」をクリックします。

 転送が開始されるとLEDが 赤 ⇒ 白 ⇒ ピンク ... と順に変われば①ボタン1(赤)を離してください。

4.転送は約70秒かかります。転送が終わるとLEDが青の点滅に変わります。

  ※転送中はIC-705のBluetooth接続が切れます。

5.転送が完了していることを確認してから「切断」をクリックします。


【その他】

◆設定のバックアップ

RigCommder.exeと同じ場所にある「data」フォルダに設定ファイルがあります。

バックアップはフォルダをZIPファイルの圧縮してください。

◆注意事項

  • 設定ファイルを直接編集しないでください。
    エラーが発生する場合があります。
  • 設定ファイルのファイル名を変更しないでください。
    エラーが発生する場合があります。
  • 無線機とPCの接続は「RigCommder」を起動する前に行って下さい。
    COMポート番号が取得できない場合があります。
  • コマンド編集でエラーが出なくても、無線機の仕様によって結果が反映されない場合があります。
  • 上級者向けにカスタムコマンドを用意していますが、メーカーの取説に無いコードを設定しないでください。
    動作が保証されません。

◆IC-705用メッセージ作成ツール「TEXT2HEX」

 「CWメッセージ登録」や「CWダイレクト送信」に設定するコマンドはテキスト形式HEXコマンドで入力する必要があります。

「TEXT2HEX」ツールは、テキストデータを一括で変換するコマンドです。

1.以下のファイルをダウンロードし解凍後、任意の場所に展開する

2.TEXT2HEX.exeを起動する

3.「CWメッセージ登録」または「CWダイレクト送信 」

4.「CWメッセージ登録」の場合は、登録するメモリー番号を選択する。

5.メモリーの登録するメッセージ(56文字以内)または送信するメッセージ(30文字以内)を入力する。

6.変換ボタンをクリックし、生成されたテキストを「CWメッセージ登録」または「CWダイレクト送信 」の

 サブコマンドにコピ&ペーストする。

20240523-193150

◆エキスパートコマンドのヒント

エキスパートコマンドを使うことで、プルダウンメニューに無いコマンドも設定できます。

しかし、コマンドによっては意図しない動作をする場合があり、CATやCI-Vなどを理解していない人が

安易に使用出来るものではありません。

従って、詳しい解説は行いませんが、コマンド作成のヒントとなる情報のみ記載します。

なお、以下の条件をクリアする限り、RigCommanderは設定されたコマンドの内容を判定を行いません。

IC-705
  • プリアンブル(FEFE)、送信アドレス(E0)、ポストアンブル(FD)は自動的に付与される。
  • 受信アドレスは変更可能(デフォルト:A4)
  • 作成するコマンドはコマンド、サブコマンド、データエリアのみでよい
  • スペースは無視されるので2文字ごとにスペースを空けると見やすい
  • スペースを除き文字数の合計が偶数でない場合エラーとなる
FT-818系
  • 必ず10文字でなければならない
  • 設定する値が無い場合は00で埋める(スペースは許容しない)
FT-710系
  • 文字数の合計が偶数でない場合エラーとなる
  • スペースは許容しない
  • ターミネーター(;)は省略可(自動的に付与するため)

 

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