GAWANTチューニングユニット(GTU)について
※現在、機能改善のため頒布を中止しています。
GAWANTはHF帯でQRP局を運用する場合、大変便利なアンテナです。
一番の特徴はポリバリコンのダイヤルを調整して14MHz~28MHz帯(※1)に調整できることです。
しかし、バンドを変えるごとにチューニングが必要な場合や、チューニング後に同調が変化する
場合など手間がかかります。
そこで、ポリバリコンにサーボモーターを接続し、遠隔(※2)で制御可能にしたのが、
「GAWANT チューニング ユニット」(以下GTU)です。
※1:他の周波数帯に拡張されたものもあります。
※2:コントローラーに加えスマホからも制御できます。
参考:GTUが接続できるGAWANT(モドキも含む)
以下の条件の場合、GTUが使用できます。
- ケースにタカチSW-65を使用していること。
- ダイヤルがセンターにあること。(左右のズレは3mm以下)
- ダイヤルを中心として上下20mmにスイッチ等、突起物が無い事
特に、自作等でバンド切り換えスイッチ等を付けている場合は要注意です。
GTUの特徴
- GAWANT本体は無加工です。GAWANTに抱き着く方式(コアラ方式?)です。(※3)
- ダイヤルの角度を3つメモリーすることができます。(MEM_A~MEM_C)
- (MEM_A~MEM_C) ボタンを押すことで、ダイレクトに角度を変えることができます。
- Down/UPボタンにより、0.1度間隔でオートスキャンします。(※4)
- スマホから遠隔操作できるため、離れた場所にGAWANTを設置しても調整できます。(※5)
- 電源を切っても角度やメモリーは維持されます。
- GAWANTでの運用を考慮し、送信電力5W以下の運用を推奨します。
- 近くに高出力の無線機やアンテナが有る場合、できるだけ離して設置してください。
※3:本体は無改造ですが、専用ダイヤルに交換が必要です。
※4:理論上の角度であり、実際の動作角はサーボモーターに依存します。
※5:GTUとスマホの通信距離は約10mです。インターネット経由の制御は出来ません。
GTUは、「サーボモーター部」、「GTUコントローラ(本体)」、「Wi-Fiコントローラ」の3つから構成されています。
サーボモーター部の組み立て
1.用意するもの
- GAWANT(本体)
- 時計ドライバー#0または、細いプラスドライバー(直径約2mm)
- ラジオペンチ
- ビニールテープまたはミラーマット(任意(※6)
- 「サーボモーター部」
- 「GTUコントローラ(本体)」
※6:発泡ポリエチレンシート です。食器の梱包などに使われます。
2.サーボモーターのセンタリング
必ずセンタリングをしてから取り付けてください。
①写真の様に「サーボモーター部」と「GTUコントローラ(本体)」を接続します。
モバイルバッテリーまたは、PCに接続したUSBケーブルを本体右の端子に差し込みます。
「GTUコントローラ(本体)」側の端子はUSB-Cです。
サーボモーターの線の向きに注意してください。左から、オレンジ、赤、茶色です。
②「GTUコントローラ(本体)」のマイコンの上部を押しながら、電源を入れます。(初期化)
③黒いボタンを1回押します。サーボモーターが動作しセンタリングが完了します。(※7)
※7:既にセンタリングが完了している場合はモーターが動作しない場合があります。
詳しくは、「GTUコントローラ(本体)の操作」で説明します。
3.GWANTのダイヤルを取り外す
①GAWANTのダイヤルを押さえながら、中央のネジをドライバーで取り外します。
②ダイヤルと取り外したネジは大切に保管してください。
4.サーボモーター部を分解する
①サーボモーター部の4つのネジを外してください。
②ナットは接着剤で仮止めしてあるので、取り外す必要はありません。
③サーボモーターが付いているフタを取り外してくだしさい。
5.組み立てる
①GANANTにGTU専用ダイヤルを取り付けます。
②ダイヤル中央の穴に時計ドライバー#0を差し込み固定します。
③ダイヤルを中央に回します。(ロッドアンテナとダイヤルが直角になるのが目安)
④サーボモーター部の下側にGAWANTを差し込みます。
⑤フタを上下左右を調整しながら、ダイヤルの溝に差し込みます。
⑥位置が決まったたら外した4本のネジを軽く締めます。
6.調整
①写真の様に「サーボモーター部」と「GTUコントローラ(本体)」を接続します。
②「GTUコントローラ(本体)」のマイコンの上部を押しながら、電源を入れます。(初期化)
③青⇒黄⇒緑⇒黒の順に押してサーボモーターが無理なく回ることを確認してください。
回りにくい場合は、位置を調整してください。
④ガタツキが大きい場合は、GWANTとサーボモーター部の間にテープやミラーマットシート
を差し込み固定してください。
なお、多少緩みが有った方がサーボモーターには余計な負荷がかかりません。
GTUコントローラーキットの組み立て
以下のURLを参照してください。
GTUコントローラー(本体)
GTUコントローラー(本体)はサーボモーターの制御とサーボモーターへの電源供給を行います。
また、Wi-Fiのアクセスポイント(以下Wi-Fi AP)も同時に実現しています。
1.主な仕様
マイコン | Atom Lite | Stopボタンを兼ねる |
電源 | 5V(平均200mA)(※8) | 本体右のUSBーCポートから供給 |
制御ボタン | 8個 | Stopボタンはマイコンに実装 |
接続サーボモーター | 1個 | SG90相当品 |
ケーブル長 | 25cm | コネクターを含む |
メモリー | 3個 | フラッシュメモリー |
LED | 操作に対応した色で表示 | マイコンに実装 |
Wi-Fi AP | 2.4GHz | スマホから遠隔操作 |
※8:サーボモーターは起動時に1.2A程度の電流が流れます。(起動後は0.2A程度)
安定的に使用するには、1.2A以上のモバイルバッテリーまたは、PCのUSBーCポートをご使用ください。
2.接続
①本体右のUSB-C端子にUSB電源を接続します。
②本体上部のサーボモーター端子にサーボモーターのケーブルを挿します。ケーブルには決まった向きが
あります。左からオレンジ、赤、茶色です。延長ケーブルを使用する際も同等に接続してください。
3.初期起動
①初めて起動する場合やデータを初期化する場合は、「GTUコントローラ(本体)」のマイコンの上部を
押しながら、電源を入れます。
初期化するとMEM_A=45度、MEM_B=90度。MEM_C=135度が設定されます。
4.操作
各ボタンの操作は表の通りです。
Wi-Fiコントローラー
GTUの制御を離れた所から行うGAWANT Tuning Unit Controller(以下Wi-Fiコントローラー)です。
GTUコントローラー(本体)に専用のアクセスポイント(AP)とWebサーバーがあり、表示された画面のボタンを
操作することでGTUコントローラー(本体)と同等の操作ができます。(※9)
※9:GTUコントローラー(本体)のサブセットとなっており、一部制限があります。
1.主な仕様
アプリ | 専用アプリは不要 | ブラウザから操作 |
制御ボタン | 7つ | |
メモリー | 3つ | 読みなし専用 |
Wi-Fi AP | 2.4GHz | |
暗号化方式 | WPA2-PSK | |
端末 | Wi-Fiが使えるスマホやPC |
2.接続方法
以下の説明はAndroid12を中心に解説しますが、他のスマホやPCでも同様の手順となります。
また、Wi-FiのSSIDやパスワードは1台毎に異なります。詳しくは、頒布品に添付された設定シートをご覧ください。
また、Wi-Fiコントローラーと接続中はインタネットと接続できなくなるため、古いスマホなどを利活用すると便利です。
(Android2.3.4でも動作することが、確認できました。)
①接続するスマホ(またはPC)のWi-FiをONにしてください。
キャリア経由のインターネット接続が有る場合は、切断してください。
②設定シートに記載されたQRコードを読み込んで、Wi-Fi APに接続してください。
QRコードを読み込むことが出来ない場合は、以下の手順にタップし接続してください。
「設定」⇒「ネットワークとインターネット」⇒「Wi-Fi」⇒設定シートに記載されたSSID |
初めて接続する場合、「パスワード」を求められますので設定シートに記載された「パスワード」
を入力してください。
③設定シートに記載された2番目のQRコードを読み込んでコントロール画面(Web)を開きます。
QRコードを読み込むことが出来ない場合はブラウザを開いて、http://192.168.30.3にアクセス
してください。上手アクセスできない場合は、以下の問題が無いか確認してください。
|
3.Wi-Fiコントローラーの操作方法
①操作一覧
ボタン名 | 操作 |
MEM_A | サーボモーターを「MEM_A」の角度に移動します。 |
MEM_B | サーボモーターを「MEM_B」の角度に移動します。 |
MEM_C | サーボモーターを「MEM_C」の角度に移動します。 |
90 | サーボモーターを中央(90度)の角度に移動します。 |
Down | サーボモーターをマイナス方法にオートスキャンします。 |
UP | サーボモーターをプラス方法にオートスキャンします。 |
Stop | オートスキャンを停止します。 GTUコントローラーからのオートスキャンも停止します。 |
②制約事項
- Wi-Fiコントローラーからメモリーの登録は出来ません。
- Down/UP操作時のFAST(高速)モードはありません。
- Down/UP操作時、Stopボタン以外は操作出来ません。必ずStopで停止してください。
- Down/UP操作時、Wi-Fiのエリア外に移動したり、スマホの電源を切ったりしないでください。万一、Wi-Fiが切れてしまった場合は、コントローラー(本体)のStopボタンを押してください。
- コントローラー(本体)とWi-Fiコントローの通信距離は約10mです。
- Down/UP操作時、サーボモーターが0度以下または180度以上は自動停止します。
頒布について
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