IC-705用プログラマブルリモコン「IC-705BT」

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https://www.youtube.com/watch?v=xjYGHK2MqRQ

20240722-093126

2024/07/02 頒布開始に伴い、名称を統一します。

「バッテリー無し版」⇒「外部電源版

「バッテリー有り版」⇒「バッテリー内蔵版

※本機を使ってPTT等の送信操作を行う場合、「アマチュア局の遠隔操作」申請が必要です。

ただし、以下の条件の場合は遠隔操作に含まれません。


電波法関係審査基準 第15(アマチュア局)の24アマチュア局の遠隔操作(抜粋)

(7) 電波の送信の地点(設置場所又は常置場所に限る。)と無線設備の操作を行う地点のいずれもが、
免許人が所有又は管理する
一の構内である場合は、免許人以外の者が無線設備をみだりに取り扱うこ
とのないよう措置するなど無線局の適正な運用の確保に
ついて免許人により適切な監督が行われてい
るものに限り、遠隔操作には該当しないものとする。

 

(電子申請例)


①備考:第〇〇装置はブルートゥースにより遠隔操作を行うものです。
「専用線を利用したアマチュア無線局の遠隔操作」について当該工事設計書に対する適合説明資料を添付します。

②IC-705の工事設計書:下記資料を添付(各局の状況に合わせ内容を変更してください。)
 ダウンロード - 工事設計書に対する適合説明資料.pdf


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 IC-705は、そのコンパクトなサイズとバンドスコープの搭載により、移動運用においても大いに役立つ優れた無線機です。しかしながら、現在の無線機の傾向として、設定を変更する際には何度もボタンを操作しなければならないことがあります。

特に頻繁に使用される機能をまとめて操作できれば便利でしょう。
その課題を解決するために作成したのが IC-705BTです。
IC-705BTはBluetoothを利用してIC-705を一括して操作できるプログラマブルリモコンです。

◆IC-705BTの特徴は以下の通りです。

  • Bluetoothを利用しワイヤレス運用ができる(10m以内)
  • 7つのボタンを装備し、1つのボタンに最大4つのコマンドが設定できる(合計28個)
  • 設定は専用の編集ソフトで簡単に設定できる(プログラムの知識不要)
  • USBポートを使用しないので、シリアルポートを使用するソフトと同時接続できる(FT8等)
  • 30個以上のコマンドが利用できる
  • 手に収まるサイズで場所を取らない
    外部電源版:88x15x53(mm)、バッテリー内蔵版:88x27x53(mm)

(専用の編集ソフトのイメージ)

Rigcommander

編集ソフトについては、以下を参照してください

(パソコン版)無線機プログラマブルリモコン「RigCommander」


◆編集ソフトで設定可能なコマンド一覧

コマンド サブコマンド
D0011:周波数(MHz) 0.5~440 (MHz)
D0022:電波形式設定 AM/FM/LSB/USB/CW/CWR/WFM/RTTY/RTTY-R/DV
D0030:電波形式設定NEXT 無し
D0040:VFOモード 無し
D0050:VFO-A 無し
D0060:VFO-B 無し
D0070:メモリーモード 無し
D0084:メモリーCH 0000~0099
D0095:メモリーGr 0000~0100
D0100:スキャン停止 無し
D0110:PROスキャン-ON/OFF 無し
D0120:⊿Fスキャン-ON/OFF 無し
D0136:⊿Fスキャン周波数 5k/10k/20k/50k/100k/500k/1M
D0140:Allメモスキャン-ON/OFF 無し
D0150:セレクトスキャン-ON/OFF 無し
D0160:セレクトメモリ解除 無し
D0170:セレクトメモリ選択 無し
D0200:スプリット-ON/OFF 無し
D0210:スプリットOFF 無し
D0220:スプリットON 無し
D0300:ブレークインOFF 無し
D0310:セミブレークイン 無し
D0320:フルブレークイン 無し
D0359:CWメッセージ登録  
D0369:CWダイレクト送信  
D0339:キーイングスピード 6~48
D0400:PTT-ON/OFF 無し
D0410:PTT-OFF 無し
D0420:PTT-ON 無し
D0507:送信出力 0~10 (W)
D0600:LOCK OFF 無し
D0610:LOCK ON 無し
D9988:タイマー(秒) 0.0~10.0
D9999:カスタムコマンド  

カスタムコマンドは上級者専用
CW メッセージ登録、CW ダイレクト送信のメッセージ作成は専用ツールを使用


【プログラム例】

各ボタンには最大4までコマンドを設定できます。便利なプログラム例を掲載しますので、参考にしてください。

なお、作成したプログラムはIC-705BTに転送する前に無線リモコンモードで動作を確認できます。

※動作確認後、SAVEを忘れずに実行してください。

例1)7.012MHz、CW、5W、セミブレーク

コマンド1 D0011:周波数(MHz)
サブコマンド1 7.012
コマンド2 D0022:電波形式設定
サブコマンド2 CW
コマンド3 D0507:送信出力
サブコマンド3 5
コマンド4 D0310:セミブレークイン
サブコマンド4  

例2)VFO-Bに7.020MHz、VFO-A、スプリットON

コマンド1 D0060:VFO-B
サブコマンド1  
コマンド2 D0011:周波数(MHz)
サブコマンド2 7.020
コマンド3 D0050:VFO-A
サブコマンド3  
コマンド4 D0220:スプリットON
サブコマンド4  

例3)メモリーモード、セレクトスキャンON/OFF

※直前に選択したSELECT★をスキャンします。
 また、メモリーにSELECT★を登録しておくこと。
 ボタンを押すたびにスキャンのONとOFFがトグル動作する

コマンド D0070:メモリーモード
サブコマンド  
コマンド D0150:セレクトスキャン-ON/OFF
サブコマンド  

例4)51.5MHz、FM、±500kHzで⊿Fスキャン

コマンド1 D0011:周波数(MHz)
サブコマンド1 51.5
コマンド2 D0022:電波形式設定
サブコマンド2 FM
コマンド3 D0136:⊿Fスキャン周波数
サブコマンド3 500k
コマンド4 D0120:⊿Fスキャン-ON/OFF
サブコマンド4  

例5)アンテナ直下のSWR測定、カーチャンク

Ca0e1e9b92904e7ba4b9fb0fb17f886a

コマンド1 D0420:PTT-ON
サブコマンド1  
コマンド2 D0410:PTT-OFF
サブコマンド2  

【SWR測定の場合】

※試験電波の発射は、法令に従ってください。
※PTTの送信時間はインターバルタイマー(300~3000ミリ秒)で設定します。
※3アマ以上はコマンドを「D0369:CWダイレクト送信」に変更し「VVV」を送信することも可能です。

【カーチャンクの場合】

レピーターに対してカーチャンクを行う場合は、予めレピーターを選局してからボタンを押してください。


【操作】

IC-705BTの操作について説明します。クイックマニュアルは以下を参照してください。

ダウンロード - IC705BTクイックマニュアル.pdf

◆外部電源版

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◆バッテリー内蔵版

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◆各部の名称

ボタン1 ボタン4 ボタン7 電源スイッチ
ボタン2 ボタン5 セットボタン USBポート(電源)
ボタン3 ボタン6 USBポート(通信) リセット

※⑪USBポート(電源)の位置がバッテリーの有無で異なります。


◆電源ON

1.⑪ USB ポート(電源)とモバイルバッテリーを接続する

  ※内蔵バッテリー運用時は不要

2.⑩電源 SW を ON にする(左にスライド)
3.⑧の LED が青く点滅するので、④青ボタンを押すとLED がピンクに点灯する(Bluetooth接続待ち)

※⑨USBポート(通信)に接続した場合、⑩電源 SWは使用できません。

◆電源OFF

1.⑩電源スイッチを右にスライドする
  ※⑨の端子に接続した場合はケーブルを抜く
2.⑪ USBポート(電源)のケーブルを抜く
  ※内蔵バッテリー運用時は不要


◆IC-705とIC-705BTをペアリング(初回のみ)

  • IC-705BTを使用する場合は、最初にペアリングを行ってください。
  • 電源が入った状態(LED がピンクに点灯 )で以下の操作を行ってください。

1.MENU ⇒ SET ⇒ Bluetooth ⇒ ペアリング/接続の順にタッチする
2.機器検索 ⇒ データ端末検索 の順にタッチする
3.RigCom705BT ⇒ はい の順にタッチする
4.パスキーが表示されるので「確認」をタッチする
5.接続が完了したら MENU をタッチしてペアリングを完了する
6.リモコンのボタン1~ボタン7を押してIC-705の設定が変化することを確認してください
※IC-705のCI-Vアドレスが、A4h以外に設定されている場合は動作しません。
 動作しない場合、IC-705のCI-VアドレスをA4hになっているか確認してください。

(コマンドの初期設定)

ボタン1 VFO-A ボタン5 51.00MHz FM
ボタン2 VFO-B ボタン6 145.00MHz FM
ボタン3 7.05MHz LSB ボタン7 433.00MHz FM
ボタン4 21.15MHz USB    

CI-Vアドレス=A4h


以下は、ペアリングが完了していることを前提に説明します

◆IC-705とIC-705BTを手動接続する場合

1.IC-705の電源をONにしてください
2.IC-705BTの電源をON ⇒ ボタン4(青ボタン)を押してください
3.MENU ⇒ SET ⇒ Bluetooth ⇒ ペアリング/接続の順にタッチする
4.RigCom705BT ⇒ はい の順にタッチする
5.接続が完了すると LED が消灯する

◆IC-705とIC-705BTを自動接続する場合

事前にMENU ⇒ SET ⇒ Bluetooth ⇒ 自動接続 がONにしてください。

1.IC-705BTの電源をONにして ⇒ ボタン4(青ボタン)を押してください
2.IC-705の電源をONにしてください
3.自動手的に「RigCom705BTに接続しました」と表示されます


◆リモコン操作

  • ボタンを押すとボタンに割り当てられたコマンドを順次送信します。
  • 複数のボタンを同時に押さないでください。
  • ボタンを押すと、該当ボタンの色に点灯します。(ボタン3はピンク、ボタン7は白)
  • ボタンを押下の結果反映には遅延が有ります。数秒待っても結果が反映されない場合は再度ボタンを押してください。

◆その他の操作

IC-705BTとPCをUSBケーブルで初めて接続するとドライバーのインストールが開始されます。

インストールが完了するとデバイスマネージャーにCOMポートが追加されます。

※COMポートの番号はPCにより異なります。

Com_20240703191501

ドライバーのインストールが失敗する場合は以下のURLを参照しドライバーをインストールしてください。

WindowsパソコンにFTDI社製USBシリアルドライバを手動インストールする手順

 

項目 操作
ペアリング/接続 電源ONの後にボタン4(青ボタン)を押す
編集ソフトからデータ転送
  • PCと⑨USBポート(通信)とケーブルで接続する
  • ボタン1(赤〇ボタン)を押したまま⑫リセットボタンを押す(緑LEDが点滅)
  • データ転送が開始されたらボタン1(赤〇ボタン)を離す
設定内容のクリア
  • ボタン2(グレイ〇ボタン)を押したまま電源を入れる(またはリセットボタン )
  • 赤LEDが点灯したらボタン2(グレイ〇ボタン)を離す

※設定内容のクリアはデータをすべて消去します。(初期値ではありません。)
 設定内容クリア後、編集ソフトからデータ転送を行ってください。


◆バッテリー内蔵版について

バッテリー内蔵版は、内部に充電回路と300mAhのリチウムポリマー電池が内蔵されています。

充電回路は十分な安全対策を行っていますが、分解や改造をする場合は十分注意を払ってください。

※充電時間や運用時間は目安であり性能を保証するものではありません。

 周囲の環境やバッテリーの状態により変化します。

フル充電時間 約85分
IC-705BTの運用時間 約4時間
バッテリーの仕様 リチウムポリマー電池 300mAh 3.7V
充電電流 30~300mA(充電状態により自動調整)
過充電保護 4.2V以上で遮断
過放電保護 2.4V以下で遮断
温度保護 無し
逆接続保護 無し
状態異常時 赤のLEDが点滅

測定結果については以下のページを参照してください。

IC-705BTの充電回路試験

【充電方法】

充電を行う場合は、⑩電源スイッチをOFF(右にスライド)してください。

充電中は赤のLEDが点灯し、充電が完了すると青のLEDが点灯します。

LEDは背面のスロットから確認できます。

※バッテリーを使用しない場合でも、劣化を防ぐため定期的な充電をお勧め致します。

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【バッテリーでの運用】

1回の充電での使用は約4時間です。

長時間運用する場合充電しながら運用するフローリング充電も可能ですが、充電完了となりません。

充電を完了させたい場合は、必ず⑩電源スイッチをOFFにしてください。

※電源を切るとIC-705とのBluetooth接続も切れます。再接続が必要です。

【バッテリー交換について】

長い間使用していると、バッテリーが劣化し充電が完了しなかったり、使用時間が短くなり交換が必要です。
同等のバッテリー(リチウムポリマー電池)と交換してください。本機では、バッテリーはハンダ付けしてありますが、交換するバッテリーがコネクター付きの場合、2mmピッチまたは2.54mmピッチのコネクタ(メス)に接続することも可能です。

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※電子工作に自信が無い場合は、電子工作に慣れた人に依頼するか、⑨USBポート(通信)で運用してください。
 なお、バッテリー交換サービスは行っておりません。

※コネクター(メス)は付属していません。自身で適合するコネクター取り付けてください。

※バッテリーに接続するコネクターを切断する場合、1本づつ切断してください。
 同時に切断するとショートして危険です。

【バッテリー交換手順】

①電源スイッチをOFFにし、マイコンを抜いてください。(中央の四角いキューブ上のもの)

②ケースのネジを外し、基盤が見える状態にしてください。

③バッテリーの+側(赤い線)先端にハンダコテを当て外し、線の先端をビニール等を巻き保護してくてください。

④バッテリーの-側(黒い線)も同様に外します。

⑤新しいバッテリーがコネクター付きの場合、コネクター(メス)をハンダ付けしてからコネクターに刺します。

⑥ハンダ付けする場合は、バッテリーの-側(黒い線)⇒バッテリーの+側(赤い線)の順にハンダ付けします。

⑦配線に誤りが無いか確認し、マイコンを刺します。

⑧バッテリーを

⑨バッテリーをフル充電します。※電圧が低いと電源が入りません。

※絶対にバッテリーをショートさせないでください。

※異常が発生場合は、直ちに作業を中止してください。

※使用済のバッテリーは各自治体のルールに従って処分してください。

【バッテリーの容量拡大】

バッテリーの容量を大きくする(1000mAh以下)ことで運用時間を拡大することができますが、

300mAh超のバッテリーでの動作検証を行っておりません。

拡張する場合は以下のURLを参考に自己責任でお願い致します。

電子工作専科


◆頒布について

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