IC-705用プログラマブルリモコン「IC-705BT」
- FMぱるるん「ビームアンテナ」(8月4日)放送で紹介されました
- 番組の様子は「hamlife.jp」でも紹介されました
- 英語版コマンド対照表を追加しました。(PDF)
Added document (IC-705BT Command Japanese-English Comparison Table).
- PurotoPediaに紹介記事を書きました
- YouTubeに紹介動画を公開しました
https://www.youtube.com/watch?v=xjYGHK2MqRQ
2024/07/02 頒布開始に伴い、名称を統一します。
「バッテリー無し版」⇒「外部電源版」
「バッテリー有り版」⇒「バッテリー内蔵版」
※本機を使ってPTT等の送信操作を行う場合、「アマチュア局の遠隔操作」申請が必要です。
ただし、以下の条件の場合は遠隔操作に含まれません。
電波法関係審査基準 第15(アマチュア局)の24アマチュア局の遠隔操作(抜粋) (7) 電波の送信の地点(設置場所又は常置場所に限る。)と無線設備の操作を行う地点のいずれもが、 |
(電子申請例)
①備考:第〇〇装置はブルートゥースにより遠隔操作を行うものです。 ②IC-705の工事設計書:下記資料を添付(各局の状況に合わせ内容を変更してください。) |
IC-705は、そのコンパクトなサイズとバンドスコープの搭載により、移動運用においても大いに役立つ優れた無線機です。しかしながら、現在の無線機の傾向として、設定を変更する際には何度もボタンを操作しなければならないことがあります。
特に頻繁に使用される機能をまとめて操作できれば便利でしょう。
その課題を解決するために作成したのが IC-705BTです。
IC-705BTはBluetoothを利用してIC-705を一括して操作できるプログラマブルリモコンです。
◆IC-705BTの特徴は以下の通りです。
- Bluetoothを利用しワイヤレス運用ができる(10m以内)
- 7つのボタンを装備し、1つのボタンに最大4つのコマンドが設定できる(合計28個)
- 設定は専用の編集ソフトで簡単に設定できる(プログラムの知識不要)
- USBポートを使用しないので、シリアルポートを使用するソフトと同時接続できる(FT8等)
- 30個以上のコマンドが利用できる
- 手に収まるサイズで場所を取らない
外部電源版:88x15x53(mm)、バッテリー内蔵版:88x27x53(mm)
(専用の編集ソフトのイメージ)
編集ソフトについては、以下を参照してください
(パソコン版)無線機プログラマブルリモコン「RigCommander」
◆編集ソフトで設定可能なコマンド一覧
コマンド | サブコマンド |
D0011:周波数(MHz) | 0.5~440 (MHz) |
D0022:電波形式設定 | AM/FM/LSB/USB/CW/CWR/WFM/RTTY/RTTY-R/DV |
D0030:電波形式設定NEXT | 無し |
D0040:VFOモード | 無し |
D0050:VFO-A | 無し |
D0060:VFO-B | 無し |
D0070:メモリーモード | 無し |
D0084:メモリーCH | 0000~0099 |
D0095:メモリーGr | 0000~0100 |
D0100:スキャン停止 | 無し |
D0110:PROスキャン-ON/OFF | 無し |
D0120:⊿Fスキャン-ON/OFF | 無し |
D0136:⊿Fスキャン周波数 | 5k/10k/20k/50k/100k/500k/1M |
D0140:Allメモスキャン-ON/OFF | 無し |
D0150:セレクトスキャン-ON/OFF | 無し |
D0160:セレクトメモリ解除 | 無し |
D0170:セレクトメモリ選択 | 無し |
D0200:スプリット-ON/OFF | 無し |
D0210:スプリットOFF | 無し |
D0220:スプリットON | 無し |
D0300:ブレークインOFF | 無し |
D0310:セミブレークイン | 無し |
D0320:フルブレークイン | 無し |
D0359:CWメッセージ登録 | |
D0369:CWダイレクト送信 | |
D0339:キーイングスピード | 6~48 |
D0400:PTT-ON/OFF | 無し |
D0410:PTT-OFF | 無し |
D0420:PTT-ON | 無し |
D0507:送信出力 | 0~10 (W) |
D0600:LOCK OFF | 無し |
D0610:LOCK ON | 無し |
D9988:タイマー(秒) | 0.0~10.0 |
D9999:カスタムコマンド |
※カスタムコマンドは上級者専用
※CW メッセージ登録、CW ダイレクト送信のメッセージ作成は専用ツールを使用
【プログラム例】
各ボタンには最大4までコマンドを設定できます。便利なプログラム例を掲載しますので、参考にしてください。
なお、作成したプログラムはIC-705BTに転送する前に無線リモコンモードで動作を確認できます。
※動作確認後、SAVEを忘れずに実行してください。
例1)7.012MHz、CW、5W、セミブレーク
コマンド1 | D0011:周波数(MHz) |
サブコマンド1 | 7.012 |
コマンド2 | D0022:電波形式設定 |
サブコマンド2 | CW |
コマンド3 | D0507:送信出力 |
サブコマンド3 | 5 |
コマンド4 | D0310:セミブレークイン |
サブコマンド4 |
例2)VFO-Bに7.020MHz、VFO-A、スプリットON
コマンド1 | D0060:VFO-B |
サブコマンド1 | |
コマンド2 | D0011:周波数(MHz) |
サブコマンド2 | 7.020 |
コマンド3 | D0050:VFO-A |
サブコマンド3 | |
コマンド4 | D0220:スプリットON |
サブコマンド4 |
例3)メモリーモード、セレクトスキャンON/OFF
※直前に選択したSELECT★をスキャンします。
また、メモリーにSELECT★を登録しておくこと。
ボタンを押すたびにスキャンのONとOFFがトグル動作する
コマンド | D0070:メモリーモード |
サブコマンド | |
コマンド | D0150:セレクトスキャン-ON/OFF |
サブコマンド |
例4)51.5MHz、FM、±500kHzで⊿Fスキャン
コマンド1 | D0011:周波数(MHz) |
サブコマンド1 | 51.5 |
コマンド2 | D0022:電波形式設定 |
サブコマンド2 | FM |
コマンド3 | D0136:⊿Fスキャン周波数 |
サブコマンド3 | 500k |
コマンド4 | D0120:⊿Fスキャン-ON/OFF |
サブコマンド4 |
例5)アンテナ直下のSWR測定、カーチャンク
コマンド1 | D0420:PTT-ON |
サブコマンド1 | |
コマンド2 | D0410:PTT-OFF |
サブコマンド2 |
【SWR測定の場合】
※試験電波の発射は、法令に従ってください。
※PTTの送信時間はインターバルタイマー(300~3000ミリ秒)で設定します。
※3アマ以上はコマンドを「D0369:CWダイレクト送信」に変更し「VVV」を送信することも可能です。
【カーチャンクの場合】
レピーターに対してカーチャンクを行う場合は、予めレピーターを選局してからボタンを押してください。
【操作】
IC-705BTの操作について説明します。クイックマニュアルは以下を参照してください。
◆外部電源版
◆バッテリー内蔵版
◆各部の名称
① | ボタン1 | ④ | ボタン4 | ⑦ | ボタン7 | ⑩ | 電源スイッチ |
② | ボタン2 | ⑤ | ボタン5 | ⑧ | セットボタン | ⑪ | USBポート(電源) |
③ | ボタン3 | ⑥ | ボタン6 | ⑨ | USBポート(通信) | ⑫ | リセット |
※⑪USBポート(電源)の位置がバッテリーの有無で異なります。
◆電源ON
1.⑪ USB ポート(電源)とモバイルバッテリーを接続する
※内蔵バッテリー運用時は不要
2.⑩電源 SW を ON にする(左にスライド)
3.⑧の LED が青く点滅するので、④青ボタンを押すとLED がピンクに点灯する(Bluetooth接続待ち)
※⑨USBポート(通信)に接続した場合、⑩電源 SWは使用できません。
◆電源OFF
1.⑩電源スイッチを右にスライドする
※⑨の端子に接続した場合はケーブルを抜く
2.⑪ USBポート(電源)のケーブルを抜く
※内蔵バッテリー運用時は不要
◆IC-705とIC-705BTをペアリング(初回のみ)
- IC-705BTを使用する場合は、最初にペアリングを行ってください。
- 電源が入った状態(LED がピンクに点灯 )で以下の操作を行ってください。
1.MENU ⇒ SET ⇒ Bluetooth ⇒ ペアリング/接続の順にタッチする
2.機器検索 ⇒ データ端末検索 の順にタッチする
3.RigCom705BT ⇒ はい の順にタッチする
4.パスキーが表示されるので「確認」をタッチする
5.接続が完了したら MENU をタッチしてペアリングを完了する
6.リモコンのボタン1~ボタン7を押してIC-705の設定が変化することを確認してください
※IC-705のCI-Vアドレスが、A4h以外に設定されている場合は動作しません。
動作しない場合、IC-705のCI-VアドレスをA4hになっているか確認してください。
(コマンドの初期設定)
ボタン1 | VFO-A | ボタン5 | 51.00MHz FM |
ボタン2 | VFO-B | ボタン6 | 145.00MHz FM |
ボタン3 | 7.05MHz LSB | ボタン7 | 433.00MHz FM |
ボタン4 | 21.15MHz USB |
※CI-Vアドレス=A4h
以下は、ペアリングが完了していることを前提に説明します
◆IC-705とIC-705BTを手動接続する場合
1.IC-705の電源をONにしてください
2.IC-705BTの電源をON ⇒ ボタン4(青ボタン)を押してください
3.MENU ⇒ SET ⇒ Bluetooth ⇒ ペアリング/接続の順にタッチする
4.RigCom705BT ⇒ はい の順にタッチする
5.接続が完了すると LED が消灯する
◆IC-705とIC-705BTを自動接続する場合
事前にMENU ⇒ SET ⇒ Bluetooth ⇒ 自動接続 がONにしてください。
1.IC-705BTの電源をONにして ⇒ ボタン4(青ボタン)を押してください
2.IC-705の電源をONにしてください
3.自動手的に「RigCom705BTに接続しました」と表示されます
◆リモコン操作
- ボタンを押すとボタンに割り当てられたコマンドを順次送信します。
- 複数のボタンを同時に押さないでください。
- ボタンを押すと、該当ボタンの色に点灯します。(ボタン3はピンク、ボタン7は白)
- ボタンを押下の結果反映には遅延が有ります。数秒待っても結果が反映されない場合は再度ボタンを押してください。
◆その他の操作
IC-705BTとPCをUSBケーブルで初めて接続するとドライバーのインストールが開始されます。
インストールが完了するとデバイスマネージャーにCOMポートが追加されます。
※COMポートの番号はPCにより異なります。
ドライバーのインストールが失敗する場合は以下のURLを参照しドライバーをインストールしてください。
WindowsパソコンにFTDI社製USBシリアルドライバを手動インストールする手順
項目 | 操作 |
ペアリング/接続 | 電源ONの後にボタン4(青ボタン)を押す |
編集ソフトからデータ転送 |
|
設定内容のクリア |
|
※設定内容のクリアはデータをすべて消去します。(初期値ではありません。)
設定内容クリア後、編集ソフトからデータ転送を行ってください。
◆バッテリー内蔵版について
バッテリー内蔵版は、内部に充電回路と300mAhのリチウムポリマー電池が内蔵されています。
充電回路は十分な安全対策を行っていますが、分解や改造をする場合は十分注意を払ってください。
※充電時間や運用時間は目安であり性能を保証するものではありません。
周囲の環境やバッテリーの状態により変化します。
フル充電時間 | 約85分 |
IC-705BTの運用時間 | 約4時間 |
バッテリーの仕様 | リチウムポリマー電池 300mAh 3.7V |
充電電流 | 30~300mA(充電状態により自動調整) |
過充電保護 | 4.2V以上で遮断 |
過放電保護 | 2.4V以下で遮断 |
温度保護 | 無し |
逆接続保護 | 無し |
状態異常時 | 赤のLEDが点滅 |
測定結果については以下のページを参照してください。
【充電方法】
充電を行う場合は、⑩電源スイッチをOFF(右にスライド)してください。
充電中は赤のLEDが点灯し、充電が完了すると青のLEDが点灯します。
LEDは背面のスロットから確認できます。
※バッテリーを使用しない場合でも、劣化を防ぐため定期的な充電をお勧め致します。
【バッテリーでの運用】
1回の充電での使用は約4時間です。
長時間運用する場合充電しながら運用するフローリング充電も可能ですが、充電完了となりません。
充電を完了させたい場合は、必ず⑩電源スイッチをOFFにしてください。
※電源を切るとIC-705とのBluetooth接続も切れます。再接続が必要です。
【バッテリー交換について】
長い間使用していると、バッテリーが劣化し充電が完了しなかったり、使用時間が短くなり交換が必要です。
同等のバッテリー(リチウムポリマー電池)と交換してください。本機では、バッテリーはハンダ付けしてありますが、交換するバッテリーがコネクター付きの場合、2mmピッチまたは2.54mmピッチのコネクタ(メス)に接続することも可能です。
※電子工作に自信が無い場合は、電子工作に慣れた人に依頼するか、⑨USBポート(通信)で運用してください。
なお、バッテリー交換サービスは行っておりません。
※コネクター(メス)は付属していません。自身で適合するコネクター取り付けてください。
※バッテリーに接続するコネクターを切断する場合、1本づつ切断してください。
同時に切断するとショートして危険です。
【バッテリー交換手順】
①電源スイッチをOFFにし、マイコンを抜いてください。(中央の四角いキューブ上のもの)
②ケースのネジを外し、基盤が見える状態にしてください。
③バッテリーの+側(赤い線)先端にハンダコテを当て外し、線の先端をビニール等を巻き保護してくてください。
④バッテリーの-側(黒い線)も同様に外します。
⑤新しいバッテリーがコネクター付きの場合、コネクター(メス)をハンダ付けしてからコネクターに刺します。
⑥ハンダ付けする場合は、バッテリーの-側(黒い線)⇒バッテリーの+側(赤い線)の順にハンダ付けします。
⑦配線に誤りが無いか確認し、マイコンを刺します。
⑧バッテリーを
⑨バッテリーをフル充電します。※電圧が低いと電源が入りません。
※絶対にバッテリーをショートさせないでください。
※異常が発生場合は、直ちに作業を中止してください。
※使用済のバッテリーは各自治体のルールに従って処分してください。
【バッテリーの容量拡大】
バッテリーの容量を大きくする(1000mAh以下)ことで運用時間を拡大することができますが、
300mAh超のバッテリーでの動作検証を行っておりません。
拡張する場合は以下のURLを参考に自己責任でお願い致します。
◆頒布について
トップページをご覧ください。
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